杉村ぐうたら日記(1996年8月1日〜10日)

▲1996年8月1日:木曜日:ロック御三家を知っているか?
▲1996年8月2日:金曜日:もう勘弁してやってくれ・尾崎豊
▲1996年8月3日:土曜日:アンビエントってさ
▲1996年8月4日:日曜日:今度は『めちゃ陽気な鉄道伝説』
▲1996年8月5日:月曜日:SEXピストルズは2度死ぬ
▲1996年8月6日:火曜日:金儲け本で儲ける為には
▲1996年8月7日:水曜日:一瞬『そら耳アワー』だ!と思った
▲1996年8月8日:木曜日:刺青の男
▲1996年8月9日:金曜日:カバー曲って勘弁して欲しい場合もある
▲1996年8月10日:土曜日:オザケンの新作
1996年8月1日(木曜日) ロック御三家を知っているか?
昔から歌謡界には御三家がいた。あるいは三人娘がいた。
その辺の事はこないだ書いたけれど、1970年代後半、歌謡曲レベルでのロックのヒット曲が出現していたのだ。
その時のスターを「ロック御三家」と誰かが言っていたのだ。

ピアノを弾きながら歌っていた原田真二・世良公則がボーカルだったツイスト・昔からのロックファンは何故歌謡曲なんてやるの?と驚いたチャー
この3人を、当人達はどー思っていたのか知らないが「ロック御三家」と言っていたのだ。それまでのロックな人の常識を破って彼らはTVにも出まくっていた。
「俺の音楽はTVでたった1曲だけ歌っただけじゃ表現できないのだ」などとTV出演を断っていたロッカーがまだ多かった時代に。まったくもー1曲で自分を表現できないんだったら、シングルレコードなんて出すなよーって私は思っていたのだ。
その点、この当たりの3人は偉かったのだ。
同時期にデビューしたサザンオールスターズなんかも同じで偉かった。
なんとサザンもチャーも、かのドリフターズのやっていた「8時だよ!全員集合」なんかにも出演したことがあったりするのだ。(もっともサザンはこの時期コミックバンド的な扱いがひどくなって、夜ヒットでもクレーンで宙吊りにされたり、檻の中で歌わされたり、普通の歌手扱いをされなかった為にTV出演に嫌気が差して「1年間、レコーディングのみの活動にします」と宣言したけど。)

で、あの当時から原田真二の2曲目「キャンディ」と言う曲はビートルズの「ミッシェル」そのままだよなぁと言われていた。それはアレンジも歌い方もそんな感じだったので分かり易かったのだ。で、一部のビートルズファンの反感を買っていたりしたのだ。
が、考えてみるとこのロック御三家の最大のヒット曲ってのが、それぞれビートルズの曲が出発点なのに気が付いた。

まずツイストの「あんたのバラード」
世良公則のドスのきいた声でシャウトするこの曲は、実に日本の演歌的な曲なので、ロックというジャンルが日本に定着するのはこう言う曲からだ。と、当時ある評論家が絶賛していた。が、この曲ってビートルズの「Don’t Let Me Down」そのまま。歌うときの力み方とかまで。

で、チャーの場合は「気絶するほど悩ましい」と言う曲がある。
この曲はあんましアレンジ的な事、チャーのギターの見せ場って事を考えずにスタッフが作った曲なのか、間奏で弾くチャーのフレーズもたいした事なかったが、いい曲だった。(ギターテクが楽しめる曲では「逆光線」「闘牛士」の方がお勧め)
チャーのぬたーっとした発音もいい味を出していると言う感じで、一時期の僕の愛唱歌だった。
これはビートルズに関係していないと思っていたのだが、再度聞いてみるとビートルズの曲でもジョージハリスンが作ってエリッククラプトンが参加した「While My Guiter Gently Weeps」だったのだ。
メロディは絶妙に変化させてメロディラインだけを追っていくと別の曲なのだが、コード進行だけで聞くとそのまんま、下手すりゃカラオケで歌えてしまうかもしれない。

うーむ、やはりビートルズは偉大だって事なんだな。
1996年8月2日(金曜日) もう勘弁してやってくれ・尾崎豊
 死後、途切れることなく「未発表音源」と名付けてCDをリリースされ続けてきた尾崎豊。
 やっと音源がなくなったのか、今度は9月21日に究極のベストアルバムがリリースされるそうだ。
 うーむ、尾崎豊の全アルバムを把握している人などいるのだろうか?
1996年8月3日(土曜日) アンビエントってさ
アンビエントって音楽の定義はどーだ?って言うのは・・・・1979年に元ロキシーミュージックのブライアンイーノさんが自分の実験音楽を発表するレーベルとして「アンビエント」ってレーベルを作った所から始まったんじゃないの?

それ以前からアバンギャルドな音楽を作ったり、クリムゾンのロバートフィリップさんと共作したりしてたんだけど、交通事故が元で体力を維持出来なくなったイーノさんがまず「オブスキュア」ってレーベルでスタジオワークのみの実験音楽を作り、さらに脳の使用していない部分を覚醒させる為の音楽として「アンビエント」を提唱したってのが始まりっす。

さらにイーノさんは、1982年に「アンビエントシステム」なる、音楽がダイレクトに(スピーカーを使用して)頭脳に飛び込んでくる立体音像視聴装置(と言うかただ配線の仕方なんだけど)を考案したりしている。だからイーノさんの、最初の考えでいけば「脳の未使用80%の部分を覚醒させる為の音楽」っ所すね。
それが、広義的に捉えられ、リラクゼイションの為の音楽まで含められる様になったのが現状っすね。環境音楽とは似て非なる物って感じですかね?その辺の解釈はもー「ジャンルわけすんなよ」って感じか。
1996年8月4日(日曜日) 今度は『めちゃ陽気な鉄道伝説』
 8月21日に王様の次のCDが出る。タイトルは『めちゃ陽気な鉄道伝説』
 うーむ、ちょっと今回の元ネタはマイナーすぎないか?「グランド・ファンク・レイルロード」って
 しかし今回はオリジナルのギタリスト「マークファーナー」が参加しているらしい。うーむ。

 ロックじじいの私も(笑)うーむと考え込んでしまったぐらいにグランド・ファンク・レイルロードあたりには詳しくない(笑)
 1968年だかデビューのアメリカンハードロックの先駆者的なバンドで「私たちにとって重要な事は、デカい音を出すことのみだ」と言うぐらい激しい音圧のバンド。
たしか1970年代初期に来日して、日本初の野球場を使用したスタジアムライブを開催したバンド(だと記憶している)場所は今は無き後楽園球場。

しかし、王様って1960年生まれで兄の王様太郎がロックを聴いていたのに影響されたっていう話だから(音楽をやっているのは次男の王様次郎)、1970年代前半に活躍したこのバンドは思い入れが深いのかもしれないっす。
自分は思い入れあるって言うのは、KISS やQUEENあたりからだから、ちょっと、この辺はすれ違っている。
1996年8月5日(月曜日) SEXピストルズは2度死ぬ
 なーんか賛否両論読んでいるピストルズの再結成だが(否だけか?)日本公演のチケットが即日ソールドアウトだとか聞いているが、イギリスなんかのライブもむちゃくちゃ盛り上がっているらしい。
 「てめー再結成するな」とか「じじいひっこんでろー」とか罵声怒号が飛び交い、さらに空き缶や石が飛び交ってライブが途中で切り上げになったり、暴徒の狂乱状態に恐れをなしてプロモーターがライブをキャンセルしたり、本場イギリスでは凄い盛り上がりを見せているらしい(笑)

ピストルズは死すともパンクスの魂は生きているわけだね(笑)
1996年8月6日(火曜日) 金儲け本で儲ける為には
 「パチンコ必勝本」「ナンバーズ必勝本」「成功する為の財テク」
 などなど、人間の欲求に忠実な「金儲け本」は巷に大量に溢れているのだが、あんなもんで金が儲かったら楽だよなー。
 本当に儲かるんだったら本なんか書かないで、自分だけで金を独り占めだよなー。と思ってしまうのだな。
 だが、あの手の本は軒並みベストセラーなんだよなぁそんな本にすがってまで金儲けがしたいのか・・・で、結論、どうやったら金が儲かるか?

 『金儲け本を自分で書く』これで印税長者なのだ(笑)
1996年8月7日(水曜日) 一瞬『そら耳アワー』だ!と思った。
 帰宅途中カーラジオから流れてきた、外人バンドのラップ系の曲紹介の所でたしか外国のバンドだと云っていた(ぼーとして聴いていなかった)
 突然歌詞の中に『すまぁぷのぉぉぉきぃむたく』と聞こえる箇所があったので「おぉぉぉ!これはタモリ倶楽部の『そら耳アワー』に送れるぞ!」と思ったのだが
 その後も、『ちぃびぃまるくぉちゃ〜ん』やそんな箇所が山盛りなんだこりゃ?と思っていたら、その外国のラップバンドが日本盤のみのボーナストラックとして日本で有名な物を、順列バラバラにして盛り込んだ曲だった事が判明(笑)
 変な曲だったな。

 なんてバンドなのか忘れちゃったけど。
1996年8月8日(木曜日) 刺青の男
 なんか椎名誠の本で旅先の小さな島で出会った刺青師が、椎名誠と同行していた沢野ひとしが描く絵をいたく気に入ってしまって、彼の描いた「ワニ」と「女の人」の絵を彫ってしまったらしい。
 なんつーか、イラストレータとしたら「ここまで惚れ込んでくれたのか!」と言う感じで嬉しいかもしれないが、あの絵では迫力がない (笑)
 なんせ(私は好きだが)沢野ひとしが描くイラストと言うのは、知らない人が見たら小学生のイタズラ書きレベルだったりする。(実は深いんだけど)
 刺青の男と言っても、別の意味で不気味で怖い人になってしまう。

 そういえばアメリカのロックシンガーで日本漫画おたくのマシューなんとかって人は元気かな?その人、腕に漫画「うる星やつら」の主人公ラムちゃんの刺青を彫ってある (笑)
1996年8月9日(金曜日) カバー曲って勘弁して欲しい場合もある
 歌謡曲的なカバーって多くがアレンジをまったく変えないで唄っているでしょ?
 あれって、ただのカラオケで他の人のレパートリー唄っている状態だよなぁとか思ってしまう。

 と、言ってアレンジすりゃいいってもんじゃなくて、以前1960年代にロネッツって言うモータウンのグループが唄って大ヒットした「Be My Baby」って曲を田中美奈子がカバーした時は私は激怒しました。
 あの天才アレンジャー・フィルスペクターが創った完璧なアレンジを根底から壊すような「今、流行りだからユーロビートにしました」って感じの安易安直なアレンジは、思わずTVを見ながら「ふがふが」言ってしまったっす。
 たぶん、それのちょっと前に森高千里が「17歳」をユーロビートにして大ヒットしたからだと思うんだけど。うーむ安易すぎる。
 森高の「17歳」も、オリジナル南沙織「17歳」のアレンジの方が好きだけど。
やっぱり、その辺の「仕事」としてのアレンジは勘弁って感じ。
1996年8月10日(土曜日) オザケンの新作
 なんか最初の発売予定を大幅にずらして10月に新作が発表になるらしい。
 が、フルアルバムではなく6曲入りだって話。やっぱし曲が出来ないんじゃないの?って気がする。

 前作「LIFE」が発売されたのが2年以上前で、それ以降コンスタントに新曲を発表しているかの様に見えて実はアルバムからのカットばかりで、アルバム以外の曲だと筒美京平が書いた曲とか、カローラ2の曲も他人の作曲だったり。ま、新曲もあったけど。

 オザケンの作曲能力ってどーなんだろ?と言うのに興味があって、なんせ1作目のソロアルバムはとにかくキャッチーな曲がない。
 で、2作目はがらっと作風が変わってと言う感じがして、うーむスタッフワークなのかな?と思っているのだ。
 ま、売れる事は売れると思うが・・・・どこまでバリエーションを広げられるか?って感じなのだ。