杉村ぐうたら日記(1996年10月1日〜10日)

▲1996年10月1日:火曜日:ボブディラン ノーベル文学賞候補!
▲1996年10月2日:水曜日:BS・NHK「フォーク大全集・第5弾」
▲1996年10月3日:木曜日:伝説のフォークグループ『武蔵野たんぽぽ団』復活!
▲1996年10月4日:金曜日:坂埼幸之助ってやっぱり凄いっす。
▲1996年10月5日:土曜日:オバケのQ太郎は藤子・F・不二雄の単独作品じゃないぞ!
▲1996年10月6日:日曜日:EPOコンサートチケットが手に入る
▲1996年10月7日:月曜日:『えへへ』って云われてもねぇ
▲1996年10月8日:火曜日:いちばん好きな作家
▲1996年10月9日:水曜日:今日がお誕生日のお友達(ジョンレノン)
▲1996年10月10日:木曜日:小室帝國・飽和状態
1996年10月1日(火曜日) ボブディラン ノーベル文学賞候補!
 なんか次回のノーベル賞の文学部門の候補として、かのフォークの神様「ボブ・ディラン」の名前が挙げられているらしい。

 一般的にはガシガシとギターをかきならして、ハーモニカぶがぶが吹き鳴らして、字あまりの歌をわめき散らしているヒゲヅラのおやじ、ってイメージなんだけど、その詩の内容は凄いっす。
 プロテストソングの第一人者みたいな云われかたがほとんどで、政治的な歌ばっかしみたいだと思われがちっすけど、叙情詩・叙事詩なんでも来い!って感じの、作家性も高いっす。

 その詩を、肉体を通して伝達する「詩人」と言う部分が認められたわけっす。

 しかし、ディランがノーベル文学賞を受賞したら、凄いと思うっす。ライブエイドなんかの派手な企画をして、ノーベル平和賞の候補になったブームタウンラッツのボブゲルドフなんかより、ちゃんと本来の活動の中での受賞だからねぇ。
1996年10月2日(水曜日) BS・NHK「フォーク大全集・第5弾」
 今週の月曜日から4回連続って事で「フォーク大全集」って番組が放映されている。
 これは2年ぐらい前から、年に2回ぐらいの割合で放送されているスペシャル番組で、司会はアルフィーの坂埼幸之助と、昔は可愛かった岡部まりの二人。

 いわゆるフォークって云っても、実際の処明確な定義があるわけではなくて「これってフォークなの?」見たいのも含まれている。
 それに各人が受けとめるフォークの意味も凄く違うと思う。

60年代中期のマイク真木「バラが咲いた」などのカレッジフォーク系
60年代後期のメッセージフォーク系
70年代初頭の生活フォーク系
70年代中期の四畳半・叙情派フォーク系
70年代後期のニューミュージックフォーク系
 それぞれがフォークなんだけど、実際の処、気分的には違う。
 ま、この辺はテクノが細分化されて、中にどっぷり浸かっている人ににか違いが解らないって状況と同じなのかもしれないけれど、色々音楽に向き合う精神的な物が違ったりする。

 だから、この手の番組で「フォーク」とひとくくりにするとキツイ物があったりするのだ。
 スタジオにカントリーやラグライム系のオリジナルフォークに近い演奏をする「武蔵野たんぽぽ団」っていう伝説のグループが再結成して登場したって云うのに、合間のVTRで「オフコース・さよなら」「チューリップ・心の旅」なんかを流したりしちゃうのだ。  あれは、女々しいけれどロックだよなぁ(BS・NHKには日本ロック大全集と言うシリーズは別にある)

 ま、一番最初にジャンル分けって事に無理があるんだけどね。  テープの早回しとかSEを多用して、ステージでの再現性がないフォークルの「帰ってきたよっぱらい」はフォークじゃないけど、フォークだしなぁ (笑)

1996年10月3日(木曜日) 伝説のフォークグループ『武蔵野たんぽぽ団』復活!
 現在BS・NHKで「フォーク大全集」と言う、平和に健全な一般生活を送っている人には無縁の特集番組が4回に渡って放映されていたりするのです。
 その中で2日目の今日(火曜日)のスタジオ生ライブには、伝説のフォークグループとも言える、あの時代の日本のフォークミュージシャンが多数参加していたスーパーグループが再結成されていた。
 オリジナルは、1971年の中津川・第3回フォークジャンボリーに出演したメンバーがそうらしいが、結局そのつどそのつど参加している人は違ったりするんで、つねに流動的だったのだ。

 なんか去年1度だけライブをしたらしいのだけど、その時のメンバーはほとんどオリジナルがいない、元祖「武蔵野たんぽぽ団」にとって見たら「リンゴスターだけしかオリジナルメンバーがいないビートルズ」みたいな再結成だったらしい(笑)

 メンバーは
高田渡・シバ・若林純夫・山本コータロー・村瀬雅美・岩井宏・友部正人・マスミ・品川寿男・福岡風太・村上律・中川イサト・いとうたかお・なぎらけんいち
 てな感じで、かなりオリジナルメンバーに近い形での再結成なのだ。普通の人には山本コータローと、なぎらけんいちぐらいしか知られていないかなぁ?でも、フォークどっぷりの人ならばヨダレ物のグループだったりする。

 今回のBSでの再結成では「高田渡・シバ・中川イサト・山本コータロー・村瀬雅美」の5人で、後半ではこの番組のレギュラー、坂埼幸之助となぎらけんいちも参加してセッションをした。
 常に流動的に動いて、1度キリのライブメンバーも歴代メンバーに数えられているので、今回で坂埼幸之助もメンバーに登録されたハズ (笑)

 演奏のテクもあるが、それ以前に音楽を楽しんでいると言うムードがあってよかったのだ。
 たぶん、これがキッカケになって1度か2度ぐらい正式なライブも行われるんじゃないかなぁ?
 かの伝説のフォークシンガー高田渡氏は春から酒を一滴も飲まず(打ち上げでもウーロン茶)立ってマンドリン&ギター弾いていたし、喋りもしっかりしてたし、コーラスも出来ていたし、服装もこぎれいになったし、着実に社会復帰しているみたいなので安心 (笑)

1996年10月4日(金曜日) 坂埼幸之助ってやっぱり凄いっす。
 BSフォーク大全集5で、司会をやっている坂埼幸之助って凄いっす。
 アルフィーって云う世間一般のイメージで行ったら「高見沢って云う甲高い声の男が仕切ってメタル歌謡みたいな、中途半端なロックをやっているグループ」って認識なのかもしれないけど、そのアルフィーのメンバーだったりする人です。
 私はアルフィーがブレイクする前から知っていて、最初はアコースティック系のコーラスグループだった様な気がしていたんすが、突然「メリーアン」っていう曲で売れてしまってから、あぁなってしまったワケっす。

 で、なにが凄いかって云うと、この坂埼幸之助ってギターむちゃくちゃ上手いっす。上手い以前にギターが好きなんだろうなぁって感じがビシビシ伝わってくる人だったりします。

 今回の、BSフォーク大全集の第3夜には、70年代にフォークギターの教則本を買った人なら必ずお世話になったハズの「石川鷹彦」大先生がスタジオライブで登場したっす。

 でもって、アコースティックギター二本のアンサンブルでポールサイモンの「ANJI/アンジー」をやったっす。
モロかっこいいっす。
 これを直に聞いたらもっと凄いんだろうなぁって感じで、あんぐり状態で見入って、聞き入ってしまったっす。

1996年10月5日(土曜日) オバケのQ太郎は藤子・F・不二雄の単独作品じゃないぞ!
 藤子・F・不二雄(藤本弘)氏が無くなってから、その事を多くの雑誌が書いていた。ま、藤子不二雄と言う漫画家は二人だってのは認知されているのだが、その作品をそれぞれ担当して書いていたのは?と言う事になると、初期作品に行くにしたがって曖昧になる。
 で、雑誌で藤本氏を紹介するのに「藤子不二雄作品の中で『ドラエもん』『パーマン』『オバケのQ太郎』などを」と書いてある雑誌が殆どだった。
 残念っす『オバケのQ太郎』は完璧に二人での漫画で、どちらが主導権を握って書いたと言う作品ではないっす。

 そればかりか、あの作品は名義は藤子不二雄になっているけれど、本当はスタジオゼロの作品だったりする。ガキ大将を書いているのは石森章太郎だし、女の子を書いているのは赤塚不二夫だし、その他の人物をつのだじろう等が書いていたりする。回によってはストーリーを、漫画の中に頻繁に出てくるラーメン大好き小池さんのモデルになった鈴木伸一が創っていたりする。
 あと、どこかの雑誌がアニメにもなった藤子不二雄作品としてマイナーな『うめ星殿下』を上げていてくれたけれど、あれは我孫子氏(藤子不二雄A)の作品だもんなぁ

1996年10月6日(日曜日) EPOコンサートチケットが手に入る
 ひょんな事からEPOのコンサートチケットが、知人経由で手に入る事になったっす。
 なんか毎年、中伊豆あたりでその手のコンサートが自然の中で行われているみたいなんすが、なんか嬉しいっす。

 あと、沼津市民文化会館だかにワイルドワンズも来るらしいし(11月)
 12月はスターダストレビューも来るみたいだし、なんかサイフはきついが行きたいなぁぁぁ状態。
1996年10月7日(月曜日) 『えへへ』って云われてもねぇ
 こんな広告が雑誌に掲載されていた。

『土曜日はいい女と
 日曜日はいい本と
 過ごす予定です。えへへ。』

 これは何の広告かというと『産経新聞』の広告。
 なんか、中途半端に若者に媚びようとしている感じがして、嫌な気分になってしまったのだ。上記の文章がこの広告のキャッチコピーで、以下にその説明文が書いてあった。

 話題の本やベストセラーはもちろん、いい本だったら有名無名関係
 なく幅広い分野からガンガン紹介。毎朝の読書面が充実!!このほ
 か政治・経済・文化・スポーツなど、魅力的な誌面がいっぱいです。
 産経新聞

 つまりだ、若者よ本の情報がいっぱい掲載されているよん。ついでに政治なんかの事も載っているから読んでね。と云っているワケだ。
 何云っているんだろうね。
 新聞を読まない人だったら本も読まない可能性って高そうだよなぁ。誰に向かって、どんな層に向かってこの広告を発信しているんだろうか?
 キャッチコピーの最後にある「えへへ」が凄く馬鹿にされている様な気がするなぁ。

 それに、このコピーって女性団体から抗議されそうなくらいに、軽薄な文章だよな。
 で自分だったら「土曜日はいい女と」だったら「日曜日もいい女と」過ごしたいと思うけれどなぁ(笑)
 本を読むの好きだけどさ、いい女と逢えるチャンスを潰してまで本を読もうとは思わないもんね。暇だから本を読むんじゃないかな?(暇じゃなくても本を読んでいたりするけど)
 ともかく、このキャッチコピーって、オヤジが中途半端に若者にコビを売ろうとして、その結果、相手にされていないと言う最悪な広告だと思った。
1996年10月8日(火曜日) いちばん好きな作家
 雑誌『ダビンチ』で、好きな作家ベスト10みたいな物が発表されていた。
 うむむ、1位が京極か・・・・
 みんな京極夏彦って知ってますか?今、本屋にいって新書版の処を探すと変な本が数冊あると思います。なんと本の厚さが5センチぐらいする分厚い新書版があったりします。この人の作品って出すたびにどんどんページ数が増えてしまって・・・しかし、自分なりの美学があるのか、分冊にはしない。だから、そんな不格好な本になってしまうのだ。
 でもって作者が、いわゆるビジュアル系とか云われているバンドのボーカルでもやっていそうなタイプ。とても小説家とは思えないようなルックス&髪型&服装をしているのだ。
 私は、あの分厚い単行本に気後れして読んでいないが・・・

  総合    SF   ミステリー 時代小説  エッセイ 純文学写真集
京極夏彦星新一京極夏彦司馬遼太郎原田宗典夏目漱石荒木経椎
村上春樹田中芳樹Sキング池波正太郎群よう子宮本輝高橋健司
宮本輝筒井康隆綾辻行人永井路子中島らも村上春樹篠山紀信
山田詠美新井素子宮部みゆき吉川英治さくらももこ三島由紀夫銀色夏生
田中芳樹ハインラインクリスティ隆慶一郎椎名誠太宰治岩合光昭
椎名誠ブラッドベリイ江戸川乱歩田中芳樹村上春樹芥川龍之介林完次
島田荘司栗本薫島田荘司藤沢周平向田邦子山田詠美安珠
宮部みゆき小松左京鈴木光司塩野七生山田詠美宮沢賢治ロバートキャパ
長野まゆみアシモフ赤川次郎山本周五郎室井滋谷崎潤一郎藤原新也
10吉本ばななダニエルキイス横溝正史井上靖大槻ケンヂ遠藤周作浅井慎平

[抱きたい・抱かれたい作家]
 まるで、芸能人相手の「嫁さんにしたい芸能人」みたいだけれど、うむむって感じなのだ。
 しかし女性に人気がある原田宗典って、何冊か読ませて貰っていますが、そんなに特徴的でもないエッセイを書いている。同じエッセイを書くのでいったら、泉麻人の方が何倍も面白いし視線が鋭いと思うのだが・・・・やっぱりルックスの面か・・・・うむ。

総合女性男性
1.京極夏彦山田詠美京極夏彦
2.芥川龍之介宮部みゆき芥川龍之介
3.島田雅彦谷村有美島田雅彦
4.太宰治柳美里太宰治
5.原田宗典村上由佳原田宗典
6.椎名誠鷺沢萌椎名誠
7.宮本輝松本郁子宮本輝
8.山田詠美折原みと大槻ケンヂ
9.大槻ケンヂ小池真理子村上春樹
10.村上春樹小野不由美瀬名秀明

 しかし、女性3位に入っている谷村有美って、作家って云っても基本的に歌手で、いわゆるタレント本としてエッセイを出しているだけだろ。そんなのありか?男性8位の大槻ケンヂは歌手だが、小説も出しているし作家に含めても大丈夫。
 しかし谷村有美がOKだったら、ちゃんと小説を出している渡辺満里奈だって候補に挙がっても良いはずだよな。
 って、そんな事を云ったらエッセイと称した本を発行しているタレント・歌手がランキングされてしまうしなぁ。
 あと鷺沢萌サンって人はなんか、著者近影の写真が入っているのと入っていないのでは本の売上が変わるらしい。もちろん入っている方が売れるんだが、そんな物か?世の中って。
1996年10月9日(水曜日) 今日がお誕生日のお友達(ジョンレノン)
>1940/10/9 ジョンレノン(ビートルズ/Vo・G・ビ-トルズ)イギリス

 ジョンレノンが生きていたら56才か・・・・・
 この世界に「もしも/if」はあり得ないけれど、もし生きていたとしたならどんな音楽を作っていたんだろうか。ビートルズ再結成の話に乗っただろうか。ライブエイドを始めとした音楽を使った平和運動にどんな形で参加したのだろうか。それとも参加しなかったのだろうか。

 ふと自分の年齢と、偉大なるアーティストの生涯と重ねてみて、なんと自分が安易な生活の中で、満足してしまっているのかと振り返ったりする。

 平凡なる自分は、もっともっと努力しなくてはいけない。
1996年10月10日(木曜日) 小室帝國・飽和状態
 なんか、こないだデビューした小室ファミリーのガールズグループ『L☆IS』が、デビュー37日で解散らしい。
 元々、期間限定デビューだったらしいんだけど、そうなると話題作りだけだったのかね?
 この37日解散ってのは、ヒットしたグループでは最短記録だとかって云っている処を見ると、そんな気もしてしまう。
(と言っても、このグループを見たことも、曲を聴いたこともないんだけど・・・)

 だから、ここの処、歯止めが利かない状態で増殖し続ける小室ファミリーって感じなんで(1曲だけ歌った人までファミリー扱いになってしまう現状も困った物だ)、なんか常に「小室ファミリーの新曲発売」って感じで、もう完璧に飽和状態のような気がする。
 それでも、売れ続けているってのが凄いと云えば凄いのだが、もう小室哲哉もそれぞれの歌手をアーティストとしてプロデュースしている状況ではなく、コマの1つみたいな感じで扱っているような気がしてしまう。

 とりあえず、それぞれのアーティストの個性ってヤツを引き延ばして・・・・って云うプロデュースではなく「この曲はそろそろシングルを出す時期のこれに歌わせて」って感じになっている様な気もしてしまう(それぞれ微妙に差を付けている様な感じもするが)

 でもって、今回の『L☆IS』も超短期間解散と言う話題性の部分を狙ったグループなんじゃないかな?って感じがしてしまう。

 でも、やっと小室帝國が崩壊しそうな予感。

 別に小室哲哉が消滅して欲しいって思っているワケではなく、本来のアーティスト的な活動に戻って欲しいと思っているワケなのだ。
 今の状態ってブロイラーを育てているファクトリーって感じがしちゃうんでね。