杉村ぐうたら日記(1996年12月11日〜20日)

▲1996年12月11日:水曜日:だから君たち・・・
▲1996年12月12日:木曜日:マイナーな選曲
▲1996年12月13日:金曜日:金田一耕助シリーズ
▲1996年12月14日:土曜日:演歌は日本の心です
▲1996年12月15日:日曜日:アイドルと言うマニアな世界
▲1996年12月16日:月曜日:AAA
▲1996年12月17日:火曜日:バラエティに富んだ曲達(MAX)
▲1996年12月18日:水曜日:宗教的な音楽?
▲1996年12月19日:木曜日:ユーミンのアルバムが今年の年末に出なかった理由
▲1996年12月20日:金曜日:遠藤賢司だワッショイ!
1996年12月11日(水曜日) だから君たち・・・
 ムーンライダースのニューアルバムはやっぱり『デビュー20周年記念盤』らしい。
 なんか、毎回記念盤じゃねぇか?(笑)

 ところで「ムーンライダース」ってどういう意味か知ってる人います?
 ○○○を○○○○しながら○○○を外に向けて○○事なんだけどさ・・・
 よくアメリカの青春映画なんかである、例のヤツっすよ。

1996年12月12日(木曜日) マイナーな選曲
 先日・某病院の待合い室にいた時のこと。
 やっぱ正統的な病院として、こーゆー場所ではオールゴール仕立てのBGMなんかを流していると言うのがありがちな風景で、それにこの病院ももれずにオルゴール的なBGMが流れていた。

 オルゴールに選ばれる曲と言うのはだいたい決まっていて、スローでしかもそこそこ知られているような曲というのがパターンなのだと思ったりする。
 だから、そのBGMを聴きながら「おぉリチャードクレイダーマンの潮騒のメロディだ」とか「山下達郎のクリスマスイブだ」だとか思っていたところ、次にかかったのがどこかで聴いたことのあるようなイントロ「この曲ってなんだっけ?」と頭の中のライブラリーを検索するのだが「誰が歌っていた」と言うのさえ思い出せない。確かに聴いたことがある曲なのだが
 イントロが終わりメロディ部分が始まっても曲名・アーティスト名が思い出せないのだ。この曲がかかるまでの3〜4曲というのは誰でも知っている様な曲だったので、当然その辺りからの選曲だと思うのだが。  で、曲が後半に差し掛かった所で解りました。
 佐野元春のアルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」の中に収録されていた「雪 -あぁ世界は美しい-」と言う曲だったのだ。

・・・・何故?

 たしかシングルカットもしていないハズだし、これまで何かのBGM・主題歌などに使われた記憶もないのだが・・・。
1996年12月13日(金曜日) 金田一耕助シリーズ
 数年前に突然「金田一耕助シリーズが読みたい!」と思って本屋にいった所、以前は金田一シリーズを初めとして横溝正史の作品が50冊以上は出ていた角川文庫なんかも本屋には殆どない状態で「うーむ」と思ってしまった事があった。さらに古本屋にいっても、意外なことにあまり見かけない。
 うーむうーむ、と思っていたところ、昨今のホラーブーム(金田一はホラーじゃないけど、日本的なサイコホラーかも知れない)と、漫画・金田一少年の事件簿、さらにトヨエツ主演の映画なんかの関係から角川文庫がシリーズを装丁を微妙に変えて再発した。

 金田一耕助の解決した大きな事件ばかりを20冊(上下分冊もあり)再発したんだけど、そのシリーズ名が『金田一耕助ファイル』
 これって・・・・『金田一少年の事件簿』に便乗した売り方って気もする (笑)

【金田一耕助は童貞?】

 1970年代中期に角川書店が文庫と映画とTVのメディアミックスで、金田一耕助の大ブームを作りあげた当時に『金田一耕助ファンクラブ』が発足された。もう熱狂的なファンクラブで(ほとんど女性)現在も継続されているらしい。
 で、その当時まだ作者の横溝正史は存命中で、作品を発表し続けていた。が、熱狂的なファンの彼女たちは、作品の中で金田一耕助にいいよる女性があると「キーッ!」金田一耕助が登場人物の女性に好意を持つと「キーッ!」と言う状態だったらしい。
 だから、最後の作品となってしまった「病院坂の首くくりの家」ででも、それらしい記述箇所を出せずに終わってしまった(作者がファンの熱気に恐れをなしてしまったワケっす)
 だから当然の事ながら彼女たちに取っては孫の出てくる「金田一少年の事件簿」はあってはならない話らしい。

1996年12月14日(土曜日) 演歌は日本の心です
 なんか小室哲哉が参加している「glove」の今の曲って何故にあんなに演歌的なコブシが入ったような歌い方をしているのだ?
 特に最後のフレーズなんて石川さゆりも真っ青って感じの演歌チックな終わり方をしている。
 うーむ、これは小室哲哉がかのメディア王マードック氏と手を組んで、世界に音楽を発信するのの手始めに「全アジアをターゲットにしている」と宣言したことと関係あるのかな?

 などと、想っていたら、それより演歌くさいポップスがあった。

 広瀬香美の新曲はメロディは普通のポップスなんだろうが、歌い方が演歌っぽいこぶしの世界。
 と、言うか、よく普通のポップスをふざけて演歌っぽく歌ってしまった時のような歌い方。カーラジオで聴いたCDの音源でもそんな感じなのだが、TVで歌っているのを聴いたらさらに激しい。
 臭い演歌的なワザと溜めて歌うような感じで・・・
なんか、良く解らない世界がやってきている。

   御子様グループ「SPEED」もコブシが利いている 
1996年12月15日(日曜日) アイドルと言うマニアな世界
 日曜日の夕方、衛星放送NHK-1で「アイドルオンステージ」と言う、思いっきりマニアな番組がある。
 本来アイドルってのは、一番庶民的な存在だったハズなんだけど、今の時代はいったい普段は何処に生息しているんだ?と言う感じのアイドルを見ることは、マニアな行為になっている。
 でも、NHKってのはブームや世の情勢とは関係なくいつの時代にもアイドルの為の番組を用意していたりする。

1970年代初頭〜中期「STAGE 101」
1970年代後半〜1980年代前期「LET’S GO YOUNG」
1980年代中期〜後期「YOUNG STUDIO 101」
1990年代前期〜 「IDOL ON STAGE」

 この番組ってのは今から4年位前に始まって、その当時まだ無名だったKinki Kidsなんかが最初からレギュラーだった。
 いわゆるアイドルと言われている人が入れ替わり立ち替わり出演して、まず自分の持ち歌を歌い、後半は色々な曲をその日のテーマに合わせてメドレーで歌ったりする番組なのだ。
 いわゆる「THE夜もヒッパレ」や、大昔の深夜番組「東京YELLOW PAGE」みたいな構成の音楽番組だった。
 実力派歌手が大挙して出演するヒッパレと違って「おいおい、本当にコイツCD出しているの?」みたいな冗談みたいな歌が連続してかかったりするんだけど、それはそれで面白い番組だったりする。

 しかし、最初の2年ぐらいは女性アイドルも男性アイドル(ジャニーズ事務所の歌手しかいないけど)も混然とメドレーを歌ったりデュエットしていたりしたのだが、ジャニーズの熱狂的なファンの「デュエットさせないで!」「一緒に踊らせないで!」と言う抗議の為に、現在は女性アイドルと男性アイドルの出演する場面は完全別撮りになってしまったのだ。
 男女7才にして席同じゅうにせず・・・
 だから現在は1時間番組の前半が「女性アイドルオンステージ」後半が「男性アイドルオンステージ」と言う構成になって、さらにディープにマニア道を突き進んでいるのだ。


【飽和状態】

 で、時たまボーっと見ていたりすると、うーむジャニーズ事務所っていったいどれくらいの人数が所属しているのだ?と想ってしまうぐらいに、人数が多い。

 この番組に出演するのは「SMAP」「TOKIO」「忍者」「V6」「Kinki Kids」って感じのデビュー組だけでなく、予備軍も大量にいる。
 ぱっと見ただけで、画面には40人〜50人ぐらいの御子様が踊り狂っていた。
 で、その中で「ジャニーズJr」「ジャニーズSr」などとグループ分けをしているのだ。
 が、それでさえも人数が増えてしまったのか、昨日見たこの番組の中には新たに「ジャニーズ・ミドルJr」と言うグループが (笑)

 なんか、とんでもない事になっている。
 ついでに女性の方に出演していた「東京パフォーマンスドール」もムチャクチャ人数多いっす。
 以前知っていた頃の(篠原涼子・市井由理なんかがいた頃)メンバーが一人もいなくて、うーむって感じ。

   南青山少女歌劇団とか制服向上委員会とかも・・・
1996年12月16日(月曜日) AAA
 先日(12月1日)に毎年恒例のAAA(Act Against AIDS)コンサートが何カ所かで同時に開催された。それを毎年恒例でNHK衛星が放送していた。

 それをビデオに撮っておいたんで、やっと1週間以上遅れで見た。
 オープニングでAIDSについての、恐ろしさや、この先私たちがどう対応していったらいいかと言うことをナレーションが語っていたのだが・・・・・

 このAAAってのが、実際の事を言うと厚生省がバックに存在しているイベントなのは、すでにばれている。
 でもって、その厚生省がAAAを旗頭に「無責任なセックスは辞めよう」「コンドームをしよう」みたいな事ばかりをまき散らし、結局の所「薬害AIDS」に関しては、無かったかの様に振る舞ってきた。
 それが去年までなのだが、今年はさすがに・・・・と思っていたのだが、少しだけその辺に触れるような言葉は少しあったが、最終的にはコンドームを使おう恥ずかしくないんだ、みたいな事が前面に押し出された様なAIDSに対する意見だった。

 結局「薬害AIDS」の恐ろしさは、このAAAと言う場では無かった事にされているんだろうか?  なんか、ちょっと腹がたった。音楽をネタにして、AIDSが伝播された方法を若い世代に歪曲して教え込ませようとしているみたいで・・・・

 ま、以前の「コンドームさえ付けていれば」みたいな「だから無責任なセックスをしていてもいいのさ」的なコメントはなくなったけどさ。

【猿木落河童川流弘法筆誤】

 先日行われたAAAのライブで、本来は出演する予定だった玉置浩二が土壇場になって緊急入院してしまったので、同じステージに登場するハズだった財津和夫と森山良子がギター一本の弾き語りをバックに淡々と玉置浩二のレパートリー「哀しみにさようなら」を歌っていた。
 やっぱ年期の入ったボーカリストのデュエットってのは凄いっす。

 で、その時唯一の伴奏・ギターを弾いていたのがアコースティックギターと言えばこの人!って感じの石川鷹彦。
 が、この時はテクニックを見せつけるわけでもなく、あくまでも歌のバックに徹して凄く単純なアルペジオを弾いていた

 が、突然、トチッタのだ。
 ハーモニーと合わない状態が・・・笑う財津と森山、それと対比して照れた感じで取り繕うとする石川鷹彦。やっぱ、プロでも凄く単純なミスを犯すのだな・・・
 生放送での中継だからみれた映像かもしれない (笑)

1996年12月17日(火曜日) バラエティに富んだ曲達(MAX)
 かのSUPER MONKEY'S、あらためMAXが、やっとファーストアルバムをリリースした。
 苦節、何年だかしらないが、平成の最初の頃に「加トちゃんケンちゃんごきげんTV」の中で「スーパードッヂボール」をやっていたのがデビュー当時だと思うんで、苦節8年って所なのか?凄ぇ

 最初は沖縄の空手少女「牧野アンナ」だとか言うののバックみたいな扱いでデビュー。たしか「元気が出るTV」にも出た事あると思うっす。

 安室奈美恵が抜けてMAXになってから、5枚だか6枚シングルを出している。
 で、雑誌インタビューで「これまでMAXになって1年半、色々なタイプの曲を歌ってきたけれど、やっとアルバムになりました」
 い・・・・色々なタイプの曲???
 気が付かなかった 


 先日『COUNT DOWN TV』の中で、このアルバムの曲を紹介していた。
 この番組のCD紹介っていうのは、アルバムの全曲を4〜5秒づつ流して、それぞれに簡単なコメントをすると言うパターンなのだが・・・

 普通は完璧にブチブチと曲が流れていると言う感じになるのだが、MAXのアルバム紹介は、ほとんどノンストップREMIX状態。
 冗談抜きに同じテンポ・リズムの曲が並び、さらに音の構成も似ている曲が連続で並んでいるので、次の曲に移ったって事が判らないような状態。なんか本当に凄いっす。

 昔はコンピュータを使用してアレンジ演奏出来るって言うのは、どんなアレンジでも、どんな構成の曲でも出来るって事だった様な気がするが、最近ってコンピュータを使用した音楽と言うジャンルの音と言 うのが確定しちゃって、あの手のアレンジにしなきゃいけないって感じになっている様な気がする。

 ある意味で言えば、普通の楽器みたいに単音のみの演奏だと、1つ1つの音に空気を巻き込むようなリアルな深みがなかったりするんで、勢いその弱さを音を重ねる事でごまかさなくてはならないのか?って感じがしちゃったりする。

1996年12月18日(水曜日) 宗教的な音楽?
【SHOKO LANDは光の国】

 深夜にやっている音楽番組に「井上昌己」が出演していた。
 あんまし知られていない歌手かもしれないが、もうキャリアは8年ぐらいあるのかな?綺麗なお姉ちゃんで声質が松田聖子そっくしだったりする。

 その彼女が、この11月12月と2枚連続でシングルを出したそうで、そんでもって来年早々にアルバムをリリースするのだそうだ。そのタイトルが「SHOKO LAND」とか言うヤツ。

 本人の説明によると「SHOKO LAND」は光の中の国で誰もが自由になれる場所。などと説明をしていたが、これが1年半前だったら某邪教集団の隠れ家みたいな印象になってしまったんだろうなぁ「ショーコーランドは光の国・・・」
 考え過ぎか・・・・やっぱし疲れているみたいだ (笑)


【宗教的アイドル】

 ふと思い出してしまったのだが、今から15年以上前に「田中久美」と言う、まったく売れなかったアイドルがいた。
 たしかグリコかなにかのCMに出ていた様な気もするが。
 で、彼女のデビュー曲が「私の神様」2曲目が「私の中の悪魔」たしかその次の曲も、そんな感じでなにか宗教的なニオイをさせた曲だった様な気がする。
 やっぱしスタッフの意図していた物はその辺だったのだろうか?などと、今さら調べようがない事を考えていたりするのも、疲れている証拠なのだな。
1996年12月19日(木曜日)ユーミンのアルバムが今年の年末に出なかった理由
 毎年、冬になるとユーミンの新作アルバムが発売されたりするのだが、今年はなんと発売されなかった。さてはユーミンも曲が枯れたか?
 などと憶測が飛び交ったりしましたが、実際の所、アルバム用の作詞作曲をする春から秋にかけてそれどころでなかったらしい。いわゆるストーカー的な逆恨みを受けて、松任谷家は精神的にダメージを受けていたというのだな。

 事の発端は、アマチュアの作曲家(そう名乗るのは自由だ)と名乗る男がユーミンの旦那、松任谷正隆の所に「俺の曲を編曲してくれ」とオリジナルの曲を持ち込んだ事から始まる。
 当然、いちいちアマチュアの作った曲に編曲をしているヒマなんてない為に、殆ど門前払い状態で取り合わなかったらしい。そこから、その男の復讐劇が始まってしまったのだ(何故、復讐なのか判らないけ れど)無言電話やら脅迫状やらが自宅に届けられ、ついにある日、松任谷家にその男は忍びこむことに成功してしまったのだ。
 で、運良くユーミン夫妻は家を留守にしていたのだが、男はさらに逆上して飼い犬を刃物でメッタ刺し状態にしたのだ。
 うーむ、もしこの場に誰かが居たら、とんでもない事になっていたかもしれない。
 そして、数日後、再びその男はユーミン邸に侵入した所を警備員に掴まえられたと言うのだ。

 そんな事があったのが、ちょうど作詞作曲をする時期の春から秋にかけてだったのだ。その辺の事件が、今年の年末にユーミンのアルバムが出なかったのに影響しているんじゃないか?と考えられる。
 来年になったら、少し遅れだけどニューアルバムは出来るらしい。

 それの替わりと言うわけではないのだろうが、先日の「荒井由実」名義のライブCDが発表された。

 で、TVなんかで「ユーミン初のライブアルバム」なんて紹介している番組がいくつかあったけれど、10年ぐらい前に『DA DI DA』と言うアルバム発売後のツアーのライブ盤が限定発売で1回出ていたりする。
1996年12月20日(金曜日) 遠藤賢司だワッショイ!
 フォーク界の異端児(なのかな、やっぱし)遠藤賢司の16年ぶりのアルバムが発売される。
 この16年ぶりってのが、ずっと休業してましたが、最近なんかフォークが再び盛り上がって来ているみたいだからちょっくらアルバムでも久々に出してみるかな?
 と言う安易な物ではない。

 なんせ、この人はずっっっっと音楽活動をしていたのだ。つまりその中での16年振りのアルバム。世間一般では「レコード会社に相手にされなかった」と思うだろうが、この人の場合そんなの全然関係ないのだ。
 演奏して歌い続ける限り、そこには遠藤賢司が存在する。

 インディーズなんていう、結局は御子様の遊びとは違う次元で、活動を続けている音楽がここにはあるのだ。