杉村ぐうたら日記(1997年4月11日〜20日)

▲1997年4月11日:金曜日:レコ評『Happy Birthday, John.』
▲1997年4月12日:土曜日:レコ評『矢野顕子・Super Folk Song』
▲1997年4月13日:日曜日:レコ評『高橋幸宏・A DAY IN THE NEXT LIFE』
▲1997年4月14日:月曜日:レコ評『はっぴいえんど/シングルス』
▲1997年4月15日:火曜日:レコ評『ECHO & THE BUNNYMEN』
▲1997年4月16日:水曜日:レコ評『大滝詠一/ SNOW TIME』
▲1997年4月17日:木曜日:玩具話・イメージキャラクター
▲1997年4月18日:金曜日:玩具話・コニーちゃんと個室で二人きり(しかも下半身丸出し)
▲1997年4月19日:土曜日:玩具話・そーいえば我が家はファンシーになりつつある (笑)
▲1997年4月20日:日曜日:音楽話・ジャジーなのとルーズなのとは違うっす
1997年4月11日(金曜日) レコ評『Happy Birthday, John.』
"Happy Birthday, John."/-/PCCY-00188/\1,800

 このCD、1990年のジョンレノンの誕生日に発表されたヤツで、オノヨーコ・ショーンレノン・佐野元春・細野晴臣なんかが参加しているヤツ。で、CDの整理をしている際にちょっと「おぉこんなのもあったか」と聞き直したりしている訳

 あいかわらずオノヨーコは切れているし(笑)息子のショーンはいったい何をやってんだか、だし。
 困った物だが、やっぱ参加している人のジョンレノンに対しての愛が感じられてこーゆーのも悪くはない・・・かも知れないが、オノヨーコの歌声だけはカットして欲しい(笑)

 余談だが、ジョンの死の直前にリリースした「ダブルファンタジー」ってアルバムの場合、アルバム全体がジョンの曲と、オノヨーコの曲が交互に入っていると言う、実に民主的なお互いを尊重した形になっていたのだが、当時、聴いていた人は、ジョンレノンが歌っている曲だけを編集してテープにして聴いていたと言うパターンが圧倒的に多い(笑)
 だってオノヨーコって前衛的すぎて、困る様な曲ばっかなんだもんなぁ

 オノヨーコが、なんか世界ツアー的にまた日本にやってくるらしい(本当に世界ツアーしてんのか?)で、共演が息子のショーンレノン率いる「IMA」ってバンド
 なんか、ジョンレノンの名前だけで活動しているだけの気がしてうんざり。
 ジョンの最初の奥さんとの子供「ジュリアンレノン」なんかも「アーティストとして活動する時は、ジョンレノンと切り放して聞いて欲しい」とか言いつつ、ジョンの歌ってた『スタンドバイミー』をカバーしたり(歌声そっくし)ジョンが生前に残した未発表の曲を歌ったり・・・・・それじゃ切り放して聞けねぇよ、って感じだった。
 ま、今は音楽活動から足を洗って輸入代理店だかを経営しているらしいけど。
 何ツーか、1人のビッグがいると周りの人生も狂ってしまうワケだな。

追記
ジュリアンレノンは確かに音楽活動から足を洗ったらしいが、最近ジョンレノンの遺品を買い集めて博物館を作ろうと計画しているらしい。うーむ。

1997年4月12日(土曜日) レコ評『矢野顕子・Super Folk Song』
Super Folk Song / 矢野顕子/ESCB 1294/\2,800

 もう4年前に発表された作品だけど、つい最近聞き直して「えぇのう」と満喫してしまった。
ピアノとボーカルだけってので、これだけ表情をつけられるのは矢野顕子の才能だよなぁ。とか思ってしまう。
 表題にもなっている「Super Folk Song」って曲は、1981年にかの糸井重里が時代に踊らされて、よせばいいのに出してしまった「ペンギニズム」ってアルバムに書かれた曲なんだが、矢野バージョンはいいぞぉ。
 なんか、現代の童話みたいな、なんか凄い。
 詩は当時沢田研二なんかの曲で注目され、脂の乗っていた時期の糸井作品だから、面白いし、矢野顕子のボーカルの説得力も凄いし。うーむなのだ。
 佐野元春の「SOMEDAY」の矢野的解釈も斬新だった。
1997年4月13日(日曜日) レコ評『高橋幸宏・A DAY IN THE NEXT LIFE』
A DAY IN THE NEXT LIFE /高橋幸宏/TOCT-6032/\2,800

 高橋幸宏ってのは、本当はドラマーとしてむちゃ凄い人なんだが、どーも、一般的にはそーは思われてないみたいなのだな。
 かの伝説のサディスティックミカバンドのドラマーとして、ヨーロッパなんかじゃ未だに評価高かったりする。
 もっとも、最近ではカフェラッテだかなんかのCMに出ているおじさんだけど(笑)

 で、僕は高橋幸宏が好きなんだが、なんと言っても声質が好きで、あの消え入りそうな細い繊細な、微妙にビブラートかかった声ってのは真似しようにも真似できない。
 なんか、冷静に燃えていると言う感じがいいのだな。いわゆるジャズな発想で言えば「It’s Coooool !」ってヤツ。
 なんか、僕はこの声を聞いていると、幸せな気分になったりする。味の素のCMなんかで流れてくると、ほのぼのとしちゃったりしてた。
1997年4月14日(月曜日) レコ評『はっぴいえんど/シングルス』
はっぴえんど/SINGLES HAPPY END/KICS-8104\1,500

 私は大滝詠一って人のフリークなんですが、その原点ともいえるバンドはっぴいえんどのシングルを集めたCD

Vo.B/細野晴臣・Vo.G/大滝詠一・Ds/松本隆・Vo.G/鈴木茂
 日本のポップスの歴史を語る上で、洋楽のカバー時代を超えオリジナルを作り始めたバンドとして、矢沢永吉・ジョニー大倉を輩出したキャロルと並んでその存在意義は大きい。
 当時、内田裕也率いるフラワートラベリンバンドが「日本語はロックに適していない」と言う理由から日本語でロックをやろうとするバンドはロックを理解していない!と言う、むちゃな事を言っていたのだが、この2バンドは日本語をいかにロックに乗せるか?と言う実験を繰り返していた。
 キャロルは巻き舌的な発音で「きゃぁわいい〜ぅあのぅこは〜ルイジァ〜ンナァ」とロックを表現した。
 それと別の観点からはっぴいえんどは日本語の文学的表現でロックを語ろうとした。
 これはひとえに松本隆という稀代の作詞家がバンド内にいたからだが、それと同時に細野&大滝というポップスに造形の深い二人が偶然にバンド内に存在していたと言うことも重なっている。
 英語的に陰を踏む、と言う行為へのアプローチ。あるいは言葉を何度も繰り返すことによって、その言葉の意味を希薄にしていく実験。
 あるいは日本語の節でない部分で言葉を切る「さ   みだ  れ」など

 色々、現在の日本のポップス・ロックが当たり前のように日本語で歌う、その裏でこの様な初期実験があった事を再確認できるCDだったりする。この時代における、大滝のポップスの引用や、細野のワールドミュージックへの関心等がかいま見れて、色々意味で興味深いCDだった。
1997年4月15日(火曜日) レコ評『ECHO & THE BUNNYMEN』
レコ評『ECHO & THE BUNNYMEN/SONGS TO LEARN & SINxCHO & THE BUNNYME

 ブリティッシュロック独特のインテリジェンス溢れるエコー&バニーメンのCD(大昔に発売された奴だが、最近購入した)
 アメリカンロックのような派手さや音圧は無いが、その内に秘めたパッションって奴がじわじわくるっす。
 いわゆるビートルズに代表される、ブリティッシュなバンドの密室性・録音スタジオ的な音楽が私は好きなんですが、やってくれるじゃん。伝統芸を守り続ける奴等って感じ。

1997年4月16日(水曜日) レコ評『大滝詠一/ SNOW TIME』
大滝詠一/ SNOW TIME/SONY/SRCL 3503/\1,500

 CD選書と言う、いわゆる過去の名盤(でもないのもあるが)を安い値段で再リリースするという企画で、かなりの多くのアルバムがリリースされている。
 
 で、1984年に最後のアルバム「EACH TIME」を発売したままオリジナル作のリリースをしていない大滝詠一の場合はほぼ全てのアルバムがCD選書化されている訳だが、今回CD選書としてリリースされた「SNOW TIME」と言うアルバムは、実は初リリースだったりする。アナログ時代にも発表されていなかったアルバムの初リリースがCD選書だったりするのだ。
 と言っても、内容は冬の曲を集めたオムニバスって形式を取っていて「さらばシベリア鉄道」「フィヨルドの少女」「スピーチバルーン」などと言ったこれまでにアルバムの中で発表された曲を集めた物だったりする。それとインスト集。

 最初、1985年に放送局用の宣伝盤としてA面冬の曲・B面インスト物、と言う形のアナログレコードとして業界関係者の間だけに流通していたのだ。で、インストの部分はときどきラジオの「交通情報」とかのBGMなんかに使用されていたりした。
 で、ファンの間で話題騒然となったのが『森進一に書いた「冬のリビエラ」の英語バージョンを大滝詠一が作ったらしいぞ』と言うことだった。ま、ファンと言ってもたかがしれているけれどね。
 ラジオで1回聴いたことがある。とかって話が広がっていたが実際にそんなレコードはリリースされていなかった。業界向けのこの宣伝CD以外では。
 で、今回このアルバムが遂にCD選書として登場してしまった訳なのであります。この夏真っ盛りに聴くと「違う」と言う気もしますが、それはそれでいいのだ。
 それに今回リリース時に、こないだまで「ちびまる子ちゃん」の主題歌だった「うれしい予感」のインスト物も収録されていたりする。なんとギターは鈴木茂センセーです。こりゃマニアにはうひうひだったりするワケっす(笑)

 しかし、インスト集を延々と聞いていると、ラジオの交通情報みたいな気分になってしまう・・。

1997年4月17日(木曜日) イメージキャラクター
任天堂だったら「マリオシリーズ」あるいは「ドンキーコング」
セガサターンなら「ソニック」
と、イメージキャラクターがあったりするが 今プレイステーションのイメージキャラクターって
「パラッパ」と「クラッシュバンデクー」なの?

うーむ、いつの間に

しかしパラッパの耳のついた帽子欲しいなぁ(なんかの雑誌の懸賞であった)

1997年4月18日(金曜日) コニーちゃんと個室で二人きり(しかも下半身丸出し)
 我が家のトイレには、コニーちゃんのちいさな人形が置いてある。(それ以外に101匹わんちゃんやら、不思議の国のアリスやら、あるけど)

 で、台に付いているボタンを押すと「ジャカジャ〜ンジャカジャカジャ〜ン」と始めるのだ。
 ほんでもって、ランダムにグーチョキパーを出してくるので、なかなか楽しいのだ(笑)

 そして、我が家に来たお客さんはトイレに入ると、長居をしてしまうっす。
 本も置いてあるしね。


1997年4月19日(土曜日) そーいえば我が家はファンシーになりつつある (笑)
 ここ数年は押さえていたが、何故か最近また出てきてしまったのが「ファンシーの虫」

 いわゆる、お菓子のオマケやらのキャラクターグッズを集めはじめてしまったのだ。
 昨日もアンパンマンシリーズの「おにぎりまん」と「テンドンまん」を入手。

 購入するとき、怪しまれたら「子供に買うのだ」と言うポーズを取ればばっちり(笑)って、そんな年齢に見えないからまいっちんぐなのだよなぁ


1997年4月20日(日曜日) ジャジーなのとルーズなのとは違うっす
 それまでのデジタルなジャストビートへの反動からか、去年の後半あたりから、いわゆる揺れのある曲が目立ちはじめてきた。
 ブルース的と言うか、ジャズ的と言うか、いわゆる生音的なバックに、音符では表現できない様なボーカルスタイル。
 UAとか、CHARA(YEN TOWN BAND)とか、その系統。
 で、その手の音楽を意識したのかどーか判らないが、小室ファミリーの「hitomi」がリリースした新曲がそーゆー感じの線を狙っているっぽい。が、基本的にジャスト的な音ってのはやりやすい。歌いやすいのだ。だからこそカラオケでみんなこぞって歌えたりするのだな。
 揺らぎの場合は完璧にボーカリストの力量ってのが必要になってしまうんで、生半可な気持ちでやるとダサダサになってしまうのだ。

 そんでもって問題はhitomiの新曲だ。
 全曲を通して完璧に聞いたわけではないので、もしかしたら間違っているかもしれないが、凄くダサダサ。
 ジャジーとかラフって言い方ではなく、雑に歌っているという感じがしちゃうっす。同じ様な例では工藤静香が数曲「抱いてくれたらいいのに」とか、その手のジャジー目の曲を歌ったときに感じた「ダラダラした発声で歌えばジャジー」と思いこんでいる様な歌いかた。結局、歯切れが悪くだらしない曲になってしまっている。

 ビリーホリデーとか、エラフィッツジェラルドになれとは言わないが、最低でも阿川泰子程度(笑)には歌って欲しいものだ。