杉村ぐうたら日記(1997年11月21日〜30日)

▲1997年11月21日:金曜日:T-REXのトリビュート
▲1997年11月22日:土曜日:『脅迫なんか恐くない』パーネルホール
▲1997年11月23日:日曜日:緊急事態発生!
▲1997年11月24日:月曜日:若い時は短い!
▲1997年11月25日:火曜日:仕事を選んでおくれ
▲1997年11月26日:水曜日:そっくりショー『名探偵コナン・特別編』
▲1997年11月27日:木曜日:『雷火/ライカ』藤原カムイ
▲1997年11月28日:金曜日:ジョッキ生ジョッキ生〜
▲1997年11月29日:土曜日:『ペットサウンズ・セッションズ』ビーチボーイズ
▲1997年11月30日:日曜日:GO! GO! ナイヤガラ(笑)
1997年11月21日(金曜日) T-REXのトリビュート
 なんつーか「俺は30までに死ぬ!」と公言して、本当に29歳の時に交通事故で死んでしまったT−REXのボーカル「マークボラン」が生きていれば50歳って事で、日本のグラム好きアーティストがトリビュートを出したっす。

 日本でグラムロックと言うと「沢田研二」「ちわきまゆみ」「マルコシアスバンプ」あとは「イエローモンキー」あたりを思い出したりするんですが、ジュリー以外はやっぱし参加してました。
 発起人が「マルコシアスバンプ」の秋間氏で、あとはローリーや、さえきけんぞう、てなクセモノが集まってんですが。

 参加者の中で驚いたのが「ザ・ウィラード」
 まだ居たか・・・・・・・って感じ。80年代中期のインディーズの代表選手だったんですが、まだ活動していたとは。

 と思ったらなんと「頭脳警察」まで参加してるっす。うひーパンタがぁぁぁぁ!

 グラムロックって、ある種、日本の歌謡ロックを方向づけたジャンルだと思うっす。本当はジュリーや西城秀樹に歌ってほしかったけど。

1997年11月22日(土曜日) 『脅迫なんか恐くない』パーネルホール
 推理小説の中には、一見探偵に見えないような主人公が実は切れ者で、ラストに簡潔明瞭スパッと全ての謎を解きあかして・・・と言うタイプの物が多い。
 かの金田一耕助なんかもその典型だったりする。

 このパーネルホールの描く私立探偵「スタンリー・ヘイスティング」もいわゆるその手のタイプに見えたりする。
 実に鈍臭く、事件に簡単に巻き込まれてあたふたしてしまうのだ。
 となると、多くの推理小説を読んできた読者はニヤリと笑いつつラストの鮮やかな解答を期待しながら頁をめくっていくのだが、そーんなに世の中は甘くない。
 この一見さえない主人公、実は本当にさえないのだ。
 まったくもってあたふたし続ける。悪戦苦闘して、さらに事件をややっこしくしてしまう。とりあえず最後に事件は解決するのだが・・・・。

 もっとも私立探偵と言っても本来は「道路のくぼみに足を取られて転んだ拍子に骨折した」と言う依頼人の為に道路の写真を撮ったり、障害保険の示談にいったり、そんな事をメインの仕事にしているのだ。
 世の中の「探偵」と言うイメージとはほど遠いところに存在していたりするのだが、こっちの方がリアルな話だったりする。
 あとは浮気などの素行調査。
 当然ピストルなんて携帯しちゃいない。

 そんな探偵の元に「恐喝されている」と言う女性の依頼人が訪れて来るところから話は始まる。「とりあえず警察沙汰にしたくないので、金を相手に渡して引き替えに封筒を受け取って欲しい」と言う依頼だったのだ。いわゆる金の運搬人になれという話だった。
 そして恐喝相手と直接逢い契約通りの仕事をした翌日、ふたたび同じ仕事を依頼される。1度やってくれたんだから最後まで付き合うのは当然でしょと押し切られ、また運搬人になる。
 が、恐喝相手の指示した場所に待っていたのは、なんと依頼人の死体だった。
 そしてさらに数日後、恐喝相手まで死体で発見されてしまう。

 とんだ事件に巻き込まれたドジな私立探偵の話っす。

 このスタンリー・ヘイスティングのシリーズはこれで9作目だけど、どんどん面白くなっていくっす。いわゆるシリーズ物の面白さ(レギュラーとのやりとり)もあって、愛すべき作品だったりします。

『脅迫なんか恐くない』パーネルホール
ハヤカワ文庫:¥800円+税

1997年11月23日(日曜日) 緊急事態発生!
 こないだ、とある日曜日の早朝の事だった。

 その朝早く、母親の声で目が覚めた。今日は日曜日で、しかも夕べは友人たちと宴会をして遅かったのを知っているので基本的に母親は起こしに来たりはしないハズなのだが、その朝はいつもと違っていた。
 しかも、さらにいつもより母親の声が緊迫感にあふれていたのだ。

 「近所で火事だ!」

 えっ!!!と僕は飛び起きた。と同時に横で夕べの宴会の流れで我が家に止まっていた友人(○君:仮名)もあわてて飛び起きた。
 と、ドタドタと慌てた様子で母親が二階にあがってきて、その火事の方向に面している部屋に走って行ったのだ。で、僕たちもその後に続いた。
 その火事は近所と言っても、数百メートルも先の温泉地の向こうの火事らしく、旅館なんかが立ち並ぶその向こうから煙が上がっていた。
 「さっきから消防自動車がかなりの数走っていったけど、気がつかなかったの?」
 と母親に言われたが、ハッキシ言って夕べ寝たのが3時過ぎで、今の時刻が5時30分と言う感じなので当然熟睡していた所だったのだ。母親の声で起きたってだけで奇跡に近い状態だった。

 「あの辺だと・・・◎◎館の辺かな?」
 「◎◎旅館の裏手って感じだけど・・・」
 などと、僕たちは二階の窓から煙の上がっている当たりを指さしながらそんな事を話し合っていた。
 ここの所、近所の中学の講堂で不審火があったり、近所の山のドー見ても人気のない所から火が起こったり、かなり妖しい事件が起こっているのだ。こりゃ、いろいろと気を付けなくてはいかんな。と思いつつ、放火ばっかしは気を付けてもどうなるものでもないしなぁなどと考えていた。

 ふと見ると、朝5時台だと言うのに近所の家のベランダなんかにも人が出てきて、同じように煙の方向を指さしていたりする。
 さらに家の外に出る人、さらにさらにバイクや車で火事の方向に向かう人など、それぞれが色々なリアクションをしていたりするのだ。
 当然ながら、近所には温泉場に勤務している人も大勢居るので、火事となったら心配で仕事現場に駆けつけるというのも解るのだ。

 しばらくすると煙も少し収まってきた様な感じがした。

 と、言うところで僕と友人は眠気がぶり返してきて、そこからまたベッドに戻って寝はじめてしまうのだ。そして再び僕が目を覚ましたのは昼を少し過ぎた1時頃だった。
 その時も実は人の声で目を覚ましてしまったのだ。

 「お・・・おい待てよぉ」
 「う?」
 と、言うことで目覚めたのだが、その声は隣で寝ていた友人の寝言だった。さらに寝言は続いて
 「あぁぁぁぁせっかく建てたばっかりなのにぃぃぃ」
 などと言っているのだ。たぶん新築の家が火事で燃えている夢を見ているのだと思うが、その新築の家ってのはもしかして我が家の事か? なんつーか縁起でもないなぁ。

 その後、その日はちょっと大仁の方に用事があったので、友人と一緒に温泉場の火事があったと思われる場所の近くを経由して出かける事にした。
 とにかく、無責任な物見遊山な状態だが、人間として有る種当然の心理状態なのだ。うんうん、と納得させて出かけることにした。
 ま、火事が大きかったにしろ小さかったにしろ、現場検証や、後始末などで人が何人もてきな臭い匂いが辺り一面に漂っているものだと思っていた。
 が、たぶんこの辺だよなぁと言う場所に差し掛かっても、どーも火事らしい痕跡がどこにもないのだ。居るべきハズの野次馬や消防関係者警察関係者なんかも、影も形もないのだ。  うーむ、すべての作業は午前中で終わってしまったか。残念残念。などと不謹慎な事を思いながら本来の用事の為に車を走らせていくのだった。

 で、大仁での用事を済ませて帰ってきてから判明した事があった。
 実はあの火事は「火災訓練」だったらしいのだ。なんでも数日前にそう言う訓練が日曜の朝早く行われますよと言う放送があったらしい。
 が、ほとんどの人がそんな訓練があるなんてことを知らずにその朝を迎えてしまったらしいのだ。うーむ。
 なんせ、その放送は平日の昼間にあったらしいが、多くのサラリーマンはそんな放送を聞いているハズもなくパニックになってしまったのだ。
(地元にいたハズの母も、近所の人も誰一人として知らなかった)

 なんつーか(笑)

1997年11月24日(月曜日) 若い時は短い!
 最近、サクセス(だと思った)と言う整髪育毛剤のCMで、昼休みに屋上で若いサラリーマンが「若いうちは短い!」「ガツンといくぜ」みたいな事を言っているのをやっていたりする。
 なんか、本当に最近良く聞くのがその手の言葉

 「やっぱ学生のうちにしか出来ないじゃん」みたいなセリフって、すげぇジジ臭いって気がしちゃうんだけどなぁ。
 自由にやっている振りをして、実に世間体を気にしちゃってんのねって感じ。

1997年11月25日(火曜日) 仕事を選んでおくれ
 もしかしたら東京ローカルな番組で、静岡チャンネルでは見ることが出来ないのかもしれないが(数人に話したが誰も知らなかった)『TVで発見たまごっち』と言う、5分(実質2分?)のアニメがある。
 フジTV放映で、月曜日は7時55分頃、「HEY HEY HEY」の前の時間に流されている。

 いまさら「たまごっち」かぁぁと言う気もするが(完璧にポケモンに時代を譲った)、それ以上にその内容は思いっきり下らない。
・・・うーむ、くだらない以前に意味が最初から無い。
 そんな番組で、はたして子供でさえ楽しめるのか?と思ってしまう内容なのだ。

 その番組は次の番組を見るためにときどき偶然遭遇してしまったりするのだが、なんとその番組のナレーションをやっているのが『NOKKO』っす。
 かの元レベッカのあの人っす。

 うーむうーむ、ミュージシャンとしては確固たる地位を築いているハズだし・・・・。
 うーむうーむと腕組みをしながら毎週「HEY HEY HEY」のオープニングを迎えてしまうのだ。

1997年11月26日(水曜日) そっくりショー『名探偵コナン・特別編』
 週刊サンデーで連載されていて、現在TVアニメ好評放映中の『名探偵コナン』の特別編という単行本がある。
 うーむうーむ、と読んでみると、普段は4話ぐらいで1つの事件が解決する様になっているのが、毎回読み切りで解決されている。で、この話は週刊サンデーに連載された物ではなかったりするので、毎週サンデーを読んでいる人も新鮮な気持ちで読むことが出来るのだ。 

 この単行本は週刊サンデーコミックスではなく、同じ小学館だけど「てんとう虫コミックス」と言う、少し年齢層の低い漫画(「コロコロコミック」「学年誌」で連載された物の単行本シリーズ)に設定されている。
 と言うことは、週刊サンデーに連載しつつ、アニメを楽しみに見ている小さなファンの為にコロコロコミックあたりに月刊で書いているのかぁ、大変だなぁ。
 などと思っていた。
 かつて手塚治虫なんかは、小学1年・3年・5年とそれぞれに内容をかき分けて「海のトリトン」とかを連載した事もあった。

 と、単行本の表紙を見ると「原案:青山剛昌・作画:山岸栄一」と成っているのだ。

 げ?違う人が書いてんの?????私はぜーんぜん気が付かなかった。そっくりって状態じゃなく、そのまんまって感じ。
 説明に寄ると青山剛昌の大学時代の後輩で、現在アシスタントで手伝っている人の作品らしい。しかし・・・あまりにもそっくりっす。

 かの藤子不二雄Fの死後「ドラエもんズ」なんかは元アシスタントの人が書いているけど、どこか違うってのが判ってしまう。あんなにかっちりとして真似しやすい絵柄なのに。
 それに比べてこれは・・・・・

 うーむ、と思ったのが本家の青山剛昌が突然人気が無くなってしまった後、どーすんだろ?みたいな事だったりする。
 まさか「さいとうたかお」みたいに、同じ絵で色々な作品をかき分けるって事はないよなぁ。
(さいとうプロは「リイド社」と言う自分の出版社まで持っているっす)

1997年11月27日(木曜日) 『雷火/ライカ』藤原カムイ
 10年近く、コミックバーガーと言う実にマイナーな雑誌に連載を続けてきた力作の最終巻が出た。
 私は単行本のみでしか漫画を読まない様な人だったりするので、あんまし雑誌を気にしていない性なのかコミックバーガーと言う雑誌を見た記憶がなかったりする。
 が、とにかく完結したのだ。いやぁめでたい。

 藤原カムイって人は、画力も構成力もしっかりしていて素晴らしい作品を書く人だと思うのだが、何故かメジャー所には発表していない様な気がする。(週刊誌連載は出来ないかもしれないけど)

 そんでもってこの「雷火」と言う作品の舞台は「邪馬台国」と言うわけで、まったくと言って資料の残っていない時代。あえて言うのならば神話の時代を舞台にした漫画だったりする。
 だからこそ、自由な発想も出来たりするんだけどね。

 先日、本屋に行った時にどどーんと、最終巻が並んでいたのだが少し困った事があった。とりあえず現時点で11巻まで買って読んだ。
 そう判っている場合ならば、12巻が店に並んでいたら「即GET!」なのだろうが、この最終巻には「12」ではなく「了」と書いてあるのだ。
 多分、こないだ買ったのの続きだと思う・・・・。と言う少し不安な気持ちで購入して帰ってきたのだ。

 この連載している雑誌は月刊誌なので、単行本のペースは1年に1冊みたいな形で、すっかり忘れた頃に新刊が出て。毎回毎回、いままでの話を思い出す度に過去の話を読み直してから新刊に取りかかるというパターンだったのだ。
 だから「たしか11巻が出たのは去年の終わり頃だったよな・・・まさか、この「了巻」の前に12巻なんて出ていないよな」などと、かなり懐疑的な気分になっていたのだ。
 1年に1冊のペースだけど、最後は連続して出版するというパターンは多い(たしかドラゴンボールもそうだった)。
しかし最終巻に「了」って書いてあるのは判りにくいんじゃないのか? たとえば本屋に「1」〜「8」までと、飛んで「了」しか無くても、この作品は9巻で完結してんだと思ってしまうかもしれないっす。

 しかし、圧倒的な画力でぐいぐい話が進んでいくのだが、どうもラストの方は「ドラゴンボール」+「AKIRA」と言う感じになってしまったのだ。
 特に一時期、藤原カムイの絵は大友克洋に影響されているってのがミエミエの時があったんで、しょうがないけど・・・・。

 でも、うーむ凄いというかんじっす。

 絵をちゃんと書ける漫画家が、ちゃんと絵を使って漫画を書いたと言う感じなのだ。

1997年11月28日(金曜日) ジョッキ生ジョッキ生〜
 今日、TVをつけつつ本を読みつつぼけ〜ぇとしていたら、いつの間にかTVの画面は「バックトゥザフューチャー3」を放映していた。
 おぉ、そうかそうか、随分前に「1」「2」と連続で放映して、そのまんま「3」を放映しなかったんで、なんて不親切なTVだぁぁぁ!とか思っていたのだが、こんなにフェイントをかけて放送なのか。
 きっとあの連続放映された直後は、レンタルビデオ屋に突然「3」を借りに走る人が激増だったんだろーなぁ などと思っていたのだ。

 ま、1ヶ月以上の空白を置いて「3」を放映するなんて、うう〜んイケズぅなどと思いながら、ぼけ〜っとそのまま映画を見ていたのだ。

 話は徐々に西部劇の時代でドクが大変な事になっている!行かなくちゃ!!!!と、緊迫の度合いを増して、更なる過去へデロリアンは飛んでいくのであった!と話は、導入部分の盛り上がりを見せて・・・「CM」・・・

 と、そこでCMは竹中直人が「ジョッキ生ジョッキ生」と、実に美味しそうにビールを「んぐんぐ」するヤツが・・・・

 その時、私は「はっ」と思い出してしまったのだ。
 「金曜日の9時って言ったら、竹中直人主演の『恋のためらい』をやってる時間だ!」  そして私はあわててチャンネルを変えてしまったのだ。このシーズンちゃんと見ているドラマって言ったらこれしかないのだ。(と言うか、今年はこれしかちゃんと見ていないかも)実に竹中が周囲に翻弄されてしみじみといいドラマなのだ。あぁ気が付いて良かった。

 そんな風に、あの瞬間、日本中でどのくらいの人が慌ててチャンネルを変えたのだろうか? きっとかなりな数になると思われる。洋画劇場の瞬間視聴率表なんかがあったら見たいと思ってしまうのだ。

 しかし『恋のためらい』って「ラブジェネレーション=ラブジェネ」みたいに略して言うと「コイタメ」あるいは「コイダメ」になって、ちょっと臭そうなので略されない・・・・・のか?

1997年11月29日(土曜日) 『ペットサウンズ・セッションズ』ビーチボーイズ
 ビーチボーイズの作品の中で、一番ビーチボーイズ的でないくせに、ビーチボーイズの最高傑作『ペットサウンズ』のアウトテイクと、新たにリミックスされたステレオヴァージョンが出る出る出ると言われて、早数年という感じなんですが、やっとでます。

 とは言っても、「ステレオVer」「モノラルVer」「アウトテイクVer」「ボーカルトラックのみVer」の4枚セットで、12233円とおやすくなっております・・・・・。

 うがーっ!聞きたいが、高ぇよぉ。そんな金出すんなら他の聞いたことのないアルバム買った方がいいっす。ばーろーっ!

 他にポールサイモンの7年振りの新作だって出ているし、買いたい物はヤマほどあるのだ。

1997年11月30日(日曜日) GO! GO! ナイヤガラ(笑)
 そんなワケで大滝詠一が13年振りにシングルを出したって事で、ついでに主題歌になっている「ラブジェネレーション」って番組が高視聴率って事もあって、チャートに上がってきたっす。
 たぶん大滝の個人名義のシングルがチャート10位以内に入ってきたのって初めてなんじゃないかな?
 例のアルバム「A LONG VACATION」もチャート的にはどどーんといかなかったハズだし(長期的に売れたけど)たぶん最高位はナイヤガラトライアングルVol.2「A面で恋をして」あたりが一番派手な売れかたをした曲じゃないかな?

 そんなワケでチャート入りおめでとうパチパチパチ・・・・・

 と言っているが、長年の大滝・ナイヤガラファンの私としては素直に喜べない部分もある。
 なんせ、新曲なんだけど新曲に聞こえないんだもんなぁ(苦笑)さらにカップリングの「HAPPY ENDからはじめよう」と言う曲も、タイトルはかの幻のバンドをイメージさせて期待させてくれるんだけど、完全にかつて歌っていた「うららか」と言う曲の焼き直し。
 『それが大滝詠一なのだ』
 と言われたら返す言葉はないのだが(笑)
 やっぱ大滝ってプロデュース肌の人なのかもしれない。
 いわゆる渋谷系と言われる人々が数年前からよくやっている「引用」と言う名前の、サンプリングパクリ手法を昔からやっていたって感じなのだ。
 たとえばサンバ・ルンバ、あるいはドドンパと言うリズムの曲って、リズム自体が凄く特殊で特徴あるけれど、それは既に「そーゆーリズム」としてジャンル分けされて認識されている。だからそれを使って別の人が曲を作ってもパクリとは言われない。

 最近だとビートルズ的な曲をニュアンス的に持ってきて曲を作る人が多いが、それのことを簡単に「パクリ」と一刀両断しない部分がある。もうすでに「ビートルズ」と言う音楽のジャンルが完成させているのだ。
 それと同じように大滝は「ジーンビンセント」と言うジャンルの曲を作ったり、「エルビスプレスリー」と言うジャンルの曲を作っているのかもしれない。

 そんな感じで寛大に暖かい目で心で見守っている私がここにいたりする。



カップリングの曲が、かつて大滝が所属していた「はっぴいえんど」を連想させる曲と言うことだが、タイトルソング「幸せな結末」も英訳すれば「はっぴいえんど」になったりする。
うーむ(笑)
ちなみに「EAPPY END」では英語としては間違いで正確には「HAPPY ENDING」でなくてはいけませんです。