< 杉村ぐうたら日記(2000年4月1日〜10日)

▲2000年4月1日:土曜日:この世はウソだらけ
▲2000年4月2日:日曜日:小渕首相倒れる
▲2000年4月3日:月曜日:日記を書く
▲2000年4月4日:火曜日:日常
▲2000年4月5日:水曜日:日常を見てくれ
▲2000年4月6日:木曜日:本当に日常
▲2000年4月7日:金曜日:発行する意図
▲2000年4月8日:土曜日:この安易さ
▲2000年4月9日:日曜日:他人に読んで貰う
▲2000年4月10日:月曜日:発行する準備期間0
2000年4月1日(土曜日)この世はウソだらけ
 ま、なんと申しましょうか世間はエイプリルフールだと言うことで、宗教的こだわりも、民族的こだわりも全然ない日本人は「とりあえず遊べるのなら何ンでもいいや」とやっていたりする。
 しかしなぁ…いまいち、身に付いていないと言うか。

 そんな事をしなくても、普段からウソだらけなんだからあえて「この日」と言わなくてもいいような気がするが、とりあえずお祭りには乗っちゃえと言うのが日本人か。
 かのバレンタインデーだって「普段は女の子から愛の告白なんてできないので」と言う前提があってあのイベントが成立していたハズなのだが、そんな日を儲けずともいつだってどこでだって「好き」なら「好き」と言っちゃう風潮になっているような感じなのだ。
逆に男のほうから告白するのが難しい時代のような気もするけれどなぁ
2000年4月2日(日曜日)小渕首相倒れる
 かのブッチ、小渕恵三氏が突然倒れ、緊急入院したそうだ。
 で、その状態ってのも冗談にできるたぐいの物ではなく、かなり状況は深刻な感じらしい。

 で、大変なのはよーく解るのだが、永田町ではその小渕氏の進退問題とはまったく関係ない処で大騒ぎだと思うのだ。
 つまり、このまま寝たきりになった場合(その可能性の方が高いらしい)新総理大臣に誰がなるのか?と言う問題で、大もめしちゃっているんじゃないか?
 なんせ、小渕氏が総理になった段階でも「誰も適任がいないけど、とりあえず小渕くん」状態で決定したわけなので、現在はそれに輪をかけて「誰がなってもいい」状態かもしれない。
2000年4月3日(月曜日)日記を書く
現在かなりビックリしています。
確かに、3月末から4月にかけて、メルマガで色々考える事があって「週6」から「週4」にしたり、最終的に「疑問を考える」を無しにしたり… 結局、個人的に色々考える処があってそう言う常態に決断してしまったのだ。
世間的に見たら、それまでワッセワッセと編集していたのが無くなったので、随分時間的に余裕が出来たんじゃないか?って感じかも知れないが、それはそれで忙しく日々を過ごしている。
と言うか、いまだに色々なものに追いまくられている。

で、現在GWが終わった5月10日だったりします。日記の日付は4月3日だったりするけど、正直に言えばこれを書いている現在は5月10日です。でもって、この日記を更新するのはもっと先の話しになりそうなので、読んでいるのは6月あたりかも知れませんね。
この現実ってのはかなり深刻で「あまりに忙しくて、優先順位で仕事をしていた為に日記を書くのをすっかり1か月以上忘れていた」と言うか「1か月以上も時間が経過していた事に、ちょっと愕然としている」とか「4月分の日記のネタを全然考えていなかったよ」とか「何気なくこっそりと大昔に書いた文章を再掲載しちゃおうか」とか「それより、この日記自体が無かった事にしちゃおうか」などと考えている私がここにいる。
普段のそこそこ忙しい時は、それなりに「この日はこんな事を考えた」的なメモを残して「あとで書こう」などと思ったりするのだが、現時点でこの先5月10日まではまったくの白紙の荒野が続いている。
いったいどうなる?
とりあえず、今年の11月末まで毎日日記を書けば「インターネットで1000日」続けて日記を書いたと言うことになったりする。日記と言うかエッセイなんだけど。 1000本エッセイって、その質は別にして凄い事かもしれないと思うので、なんとかやり遂げたいと思っていたりする。
うーむ、いっきに30本のネタを考えつくか?自分との勝負なのだ。

しかし、この日記を読者の方が読んでいる現在は当然、その後の日記も一緒に公開されていると言うワケなので「悩んでいるけど、結局出来ているじゃん」てな感じかもしれないが、現時点では凄くあせっていたりするワケだよ。

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2000年4月4日(火曜日)日常
と言うわけで、ここでこうやって私は日常を暴露しているのでありまして、ある種自らのプライバシーってヤツを切り売り(しかもただで)して笑いを取っているという状態だったりするのであります。
と言いつつ、自分の日常のすべてを暴露しているワケではなく、普通に生活をしていく上で支障無い程度の暴露だったりするわけであります。
とりあえず、ここに杉村って人がいて日々ワシワシと生きて、ワシワシと悩んで、ワシワシと暴走しているって事しか書いていない。

ま、HP上で日記なんて物を書いている人の多くがそーゆー「露出趣味」的なことをしていたりするワケで、私の場合は男だったりするのでそーんなに深く詮索されず、住所を突き止めたり、あーだこーだってのが無かったりするのだが、女性の場合、そうも言っていられない状態になっちゃう人もいるんじゃないかな?

以前、何気なく迷い込んだ日記のページを運営していた女性の場合、年齢、だいたいの住所、仕事の内容から始まって、通勤にどの駅を使って何時頃の電車に乗ってなどと言うことが判ったり、一人暮らしをしているマンションのすぐ前にローソンがあって帰りに必ず立ち寄り、その横にレンタルビデオショップ(ご丁寧に店名まで書いてある)があり頻繁に利用している事が判り、最近髪型をショートにして、芸能人で言えば酒井法子に似ている(あくまでも自称だから)その他、ぼけーっと日記を読んだだけでも、その女性の私生活を特定出来るヒントが山盛りだった。
これって、かなり迂闊というか、無防備というか…
逆に言えば「もしかしたら全部ウソ、あるいは微妙にズラして書いている」と言う可能性だってある。
でもなぁ…

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2000年4月5日(水曜日)日常を見てくれ
しかし、日記的な事として日常の切り売りをしちゃっている人が大勢いるワケで、それがHP上の日記ならいざ知らず、そーゆー趣旨のメールマガジンもいくつか存在している。

いわゆる「ひとりごと」系と勝手に自分でジャンル分けしている物なんだけど、果たしてどれぐらい読者って物が存在しているのか不明ですが、新作メルマガでも時々「僕が日常生活の中でふと感じたことを書きます」てな具合のものがあったりする。
以前、まぐまぐに登録されているバックナンバーを読んだんだけど、なかなかどのメルマガも「この作者は何の意図があってこのメルマガを発行しているのだろう?」と言う根元的な哲学に立ち返ってしまう様な内容の物が多かった。

週刊単位で発行されていたりするのだが、最初の号の方では確実に「以前から言いたかったテーマ」があったりするのだが、途中でそのテーマに関して考えていた事を言いきってしまい、なんか文章を書くために無理矢理テーマを見つけだすと言う状態になっていたりする物があったりした。

他によく判らない物で、自分が食べた食事を日々羅列するだけという、かなり見方によってはアバンギャルドなメルマガもあったりする。果たしてこの作者の意図するものは、さらにそのメルマガを読んでいる人の意図するものは… と、深い人間の深層心理まで思い描いてしまうようなものがありました。
2000年4月6日(木曜日)本当に日常
そんなに奇異な物でなくても、単純に「日記」と言うもので変なメルマガもあったりする。
とりあえず、この『ぐうたら日記』は日記といいつつ、全然日記ではないエッセイだったりするんだけど、その手のメルマガに書かれている『日記』とは、紛れもない日記だったりするから驚いてしまうのだ。

○月○日:学校帰りに雅子と一緒にハーゲンダッツに寄って1時間ぐらい色々な話をした。
帰りに駅前の本屋で吉田秋生の「夜叉」の新刊をゲット!
と言う文章が1週間分まとめてどーん。ハーゲンダッツで何を喋ったかは不明。駅前の本屋で買ったと言う「夜叉」の新刊が面白かったとも、面白くなかったとも不明。 いったい何の意図があって… もしかしたら、一般読者に知り得ない暗号が隠されているのか?

確かに「私の日常を書きます」と言う宣言に間違いはないんだけど、そのまんまってのもどうだ?
いわゆる有名アイドルとか、有名作家なんかの場合「あぁこんな日常を送っているのだなぁ、結局ワシらと対して変わっていないのだなぁ」などと思ったりする事ができるかも知れないが、元々ワシらと同じ様な一般人の一般的な生活の記録と言うのは、何か意味があるのだろうか?
2000年4月7日(金曜日)発行する意図
なかなか面白かったものでは(面白かったのは内容ではないんだけど)まず創刊号で「このメルマガでは、僕の周囲に起こった面白い事件を、週刊単位で書いていこうと思います」などと書かれている。
で、その1週間後に発行された2号で「これと言って書くことがありませんでした」
うーむと思ってしまいましたが、さらに次の週に発行された3号でも同様の事が書かれて、さらに4号でも同じように書かれ「読者の皆様の周囲に起こった面白い出来事をメールで教えて下さい」と書かれていたりした。そうかそうか、結局そうなってしまったのか。
で、その翌週の5号には… 「これと言って書くことがありませんでした」
と言うことで、その5号が約半年前に発行されたっきり新しい号が発行されずに今に至っていると言うワケです。
いったい何をしたくて創刊したのか?
創刊前に何も準備をしていなかったのか?
かなり、不思議なメルマガだった。願わくば、周囲に何も事件が起こらないと言う状況で、毎週毎週「これと言って書くことがありませんでした」と書いたメールマガジンをえんえんと発行すると言うのも面白いかも知れない。
ある種の前衛芸術のコンセプトアートに通じるものがあるかも知れない。

でも、普通の人にとって「特筆すべき事件」なんて、そう起こらないってば。
あるいは起きても、色々なしがらみがあって書けない事もある。(実際に自分の場合も、身近に全国規模のニュースで報道されちゃった様なすごいネタがあったりしたけど… さすがにね)
2000年4月8日(土曜日) この安易さ
と言うことで、メルマガってヤツはなんか凄いんだか凄くないんだか、やっぱり凄くないに250点、と言う感じの凄くないような気もするメディアだったりする。
実際の事を言えば、まだ一般的になって3年って感じだったりするので、まだまだ黎明期と言うか、この先どんな展開になっていくのか読めないメディアかも知れない。

僕の場合は、去年の6月に「ひねもす本舗」を創刊して、9月に「知泉」を創刊したわけだけどこれがちょうどメルマガの発展期とぶつかったと言うワケです。
まぐまぐ自体が、1998年の1月あたりに始まり、去年の6月に創刊した「ひねもす本舗」のIDは「14267」だったりする。
つまり1年半の間に1万4千ものメルマガが創刊されたって事になるワケで、その段階で凄いっす。(果たしてID00001からはじめたのかは不明ですが)
で、それから3か月後の9月創刊の「知泉」のIDが「17191」と言うことで3か月間で3000のメルマガが創刊されたと言うことになる。つまり1か月に1000の新創刊があるワケっす。
と考えると最初の18か月で1万4千と言うのも順当な数字なのか…
で、去年9月から7か月経過した今の最新刊のIDは「33000」番台だったりする。つまり、7か月で1万6千の新創刊、一ヶ月に平均2280種類以上の創刊と言うことになっているのだ。

一部の噂では「まぐクリック」と言う自動広告登録システムの為に、金儲け目的でメルマガを発行している人が多く集まるようになった。とも言われている。
その為に、まぐまぐのシステムが急増に耐えきれず常にビジー常態だったり、ついには4月末から一時パンクして新規登録されなくなっちゃったりした(日記の日付と遭わない話ですいませんが)。

しかし、この現状で見ているとメルマガと言うメディアに未来はあんまりないような気もする。
2000年4月9日(日曜日) 他人に読んで貰う
自分の場合、メルマガ以前の大昔「同人誌」的な世界を経験している。
と言っても、いわゆる漫画同人誌「コミケット」な世界じゃなくて、あくまでも個人的に発表したい文章があるぜ!と言う気持ちだけで、コピーしたものをグワングワンと発行して、友人知人に無料発送して「読んでくれ!」と言うじょうたいの全手動スパムメールという感じだった。
つまり『まず最初に発行したい理由がある』と言う発行だったのだ。
それが、現在のメルマガに繋がっている。
世間はどー受け止めているか解らないけれど、あくまでも自分的には「読者がいて、それを楽しませる」と言う前提があったりする。

かつて音楽活動なんかを頑張ってしていた頃「やっぱり自分が楽しめなきゃ意味ないよね」などといいながら活動をしている連中が多かったが、実際の事を言えば「自分が楽しんでいるだけで終わっている」と言うのが多かった。
つまり「人前でやる」と言う理由付けがないような音楽が多かったような気がする。
そりゃいかんよなぁと思ったりもしたのだが、その他人を(あくまでも個人的なつながりのない、まったく面識のない他人)楽しませるというのは難しい。
その辺をメルマガを読んでいて感じてしまう場合もあったりする。

はっきり言って自分の書いた文章を「1000人」とか「2000人」とかに読んで貰うっていう事の凄さに気が付かない、無自覚なメルマガはつらい部分があるような気がする。
中には、発行部数が1桁違う「10000人」を越えているメルマガで、あまりにも無自覚で編集と言うものを考えていないようなメルマガがあったりするので、「おいおい、1万人の前で自分の意見を発表するって事の意味解ってる?」と聞きたくなってしまうようなものもあったりする。
ま、別に自分のがそんなに高尚なワケではないけど。
2000年4月10日(月曜日)発行する準備期間0
しかし、ほんとうに安易なメディアとして「思い立ったその瞬間に創刊」と言う状態だったりするワケで、困ったちゃんもいる。

自分の場合、「知泉」を発行するまで実は数ヶ月準備期間が必要だった。
と言うのも、果たしてどのくらいのペースで発行できるか?と言うのが読めなかったりしたので、実際と同じ様な状況で日々編集してみた。と、同時にやはり1か月分のストックをまず作ってみた。
その結果、なんとか発行できるぞと判明して9月に創刊したのだ。
実はその時点で本文の雑学部分の編集は11月末まで終わっていた。(つまり3か月分)
現在も、本文は3か月以上先の分まで編集済みだったりするんだけど、「知泉」の場合、途中から自然発生した『疑問を考える』が限界を超える原因になってしまったのだが…。

一ヶ月に平均2280のメルマガが新創刊されると書いたけれど、実際の事を言えば創刊のタイトルだけ掲げてまぐまぐに申請し、実際に発行されないメルマガも大量にあるみたいなのだ。
まぐまぐから来る新創刊のお知らせを見るとIDが結構抜けている。
さらに、創刊1・2号で終わってしまうメルマガも多いと聞く。

って、創刊!と言った段階でまったくストック無しって事なんでしょうか?
前に講読登録したメルマガは創刊号から2週間後に届けられた2号に「色々忙しくなってしまったのでこれ以上メルマガを続ける事が出来なくなったので廃刊します」などと書いてあって愕然としてしまいました。
いったいこの人は何をしようとしていたのだ?

もしかしたら、創刊したけど想像以上に読者数が少なくて嫌になってしまったとか…。
この辺の、思いつきで創刊・廃刊できてしまうメルマガってのはどこに向かっていくのか?これから淘汰されていくのか?それとも、今以上に珠玉混合になっていくのか。