ひねもす雑記
2003年06月01日〜10日


▲2003年06月01日:日:似顔絵展はじまる(プレ)
▲2003年06月02日:月:自画自賛
▲2003年06月03日:火:サラリーマンは辛いよ
▲2003年06月04日:水:チラシを配るのだ
▲2003年06月05日:木:似顔絵?おもしいの?
▲2003年06月06日:金:睡眠不足のピークなのだ
▲2003年06月07日:土:はじまりと終わり
▲2003年06月08日:日:祭りの後
▲2003年06月09日:月:お茶漬け
▲2003年06月10日:火:バタンQ
  2003年06月01日(日)似顔絵展はじまる(プレ)


    [イラスト:(シーナ&ロケッツ)鮎川誠]
    鮎川誠 いよいよ始まってしまいました。
    杉村が生まれて初めて開く個展。
    1年前はまさか自分が個展を、しかも「似顔絵展」などと言うものを開く事になるとは思ってもいませんでしたが、勢いってのは怖ろしいものですな。
    去年の6月12日に消しゴム版画家のナンシー関さんが急逝しまして、6月14日の雑記でナンシー関さんの画風を真似してナンシー関さんの顔を書いたのが、この似顔絵シリーズのきっかけでした。
    つまり、現時点でまだ似顔絵を描き始めて1年も経っていないと言うことになります。
    だから初期の絵なんかを見ると「どこが?」と言う感じで、いますぐその過去を消去したいと思っちゃうのであります。と言いつつ、ネット上で1度公開しちゃったものはもう消すことの出来ない事実ってことで、下手な作品でも残して、誰にでも閲覧できるようにしてある。
    逆に言えば「どのように成長しているのか?」ってのも感じて貰えるのではないか、という状態なのだ。


    [イラスト:ある意味、田代まさしの先輩・寺山修司]
    寺山修司 で、今日はプレオープンと言う形なのだが、今日から15日まで約半月の長丁場の個展がスタートしてしまった。
    昨日の夕方から準備を始めたのですが、さすがに500枚の絵を展示するってのは大変で、結局今日の朝の段階でまだ展示途中と言う状態になってしまったのだ。
    そして何とか展示を始めたのだが、プレオープンの場所はかなり狭く(それなりに広いんだろうけれど)結果として400枚程度しか貼れずに終わってしまった。
    しかもなんか窮屈な感じがしちゃって。
    実は最初は2日の月曜日から展示をスタートする予定だったんですが、諸事情あって日曜日が開いたと言われ「それじゃ日曜日スタート」となっていたんです。
    で、日曜日から始めるよぉと告知を始めたのが5月の10日頃。
    ところが先週になって「日曜日にはどうしても外せないイベントが入ってしまった」との事で、もう告知をしてしまったからにはやらないワケにいかなくなって、狭い会場でのプレオープンとなってしまったのです。


    [イラスト:1stアルバム発売中!ソニン]
      ま、あくまでもプレオープンと考えれば展示品の控え室をそのまま見せると言う状況に近いのでいいかぁと考えることにした。
    しかし、あれだけ告知をしたのにメルマガ読者らしき人は1人も来なかったような…。
    純粋にバラを買うために来たお客さん&ホールでのイベントに来たお客さんが時間つぶしに立ち寄ったと言う感じ。
    少しだけ期待していた「杉村さんですか?」みたいな会話は一つもなし。
    あと来たお客さんは友人関係のみ。
    当然、グッズ関係も全然売れずイベントに来ていたらしき女性がバッジを1個購入した以外は、友人関係がスピードくじを引いただけ(しかも豆知泉ばかり当てるし)
    プレと言いつつ、なんかシオシオのパーなのだ。


    [イラスト:観月ありさ(リベンジ版)]
      前向きに考えるとして「メルマガ読者で来ようと思っている人は、プレじゃなく、正式な物を見ようと来週以降に計画しているのだ、だから今日は少なかったのだ」と自分に言い聞かせた。
    で、夕方似顔絵を本番の大きなホールに移動したのだが、全部セッティングした状態は「凄い!」という感じなのだ。
    我ながら「よくこんな凄い作品を作った物だ」と感動しちゃいました。かなり広い会場を埋め尽くすイラストってのは…。

    今日の客の少なさなんか気にならないほど「頑張るぞぉぉぉ!」とテンションが上がってしまう私なのであった。
  2003年06月02日(月)自画自賛


    [イラスト:元総理大臣・森喜郎(しんきろう)]
      会社帰りにバラ園に立ち寄る。
    お客はいないが、その中に立ちつくしていると、自然とにやにやと顔がほころんでしまうのだ。
    普段は正直、自分の才能の限界とか他人の絵とかを見て「まだまだだなぁ」とか「自分の絵は外交的ではないので、世間には受け入れられないのでは」とか思ったりもするんですが、こうやって展示してある絵を見て「いやぁ凄い凄い」とか思ってしまうのだ。
    ちょうどジョームが来て、二人でしばらくそのホールの真ん中に立って絵を見渡していた。
    なんか、自分にとってある種の分岐点になりそうな予感なのだ。
    別にこの絵が売れて… とかって事じゃなく、自分の目指す方向みたいな物が少し見えてきたような感じで「ここまでやって来て良かったぁ」と言う感じと共に「この先も続けても大丈夫なのだぁ」と言う感じに背中を押されているような気がする。
    バラ園自体、平日はお客さんが少ないので(バラの最盛期は過ぎた)平日に見てくれる人が少ないってのはしょうがないと思うけれど、見てくれた人には感謝なのだ。
  2003年06月03日(火)サラリーマンは辛いよ


    [イラスト:オリコン5位・はなわ]
    はなわ とりあえず今日はバラ園が定休日なので、帰りに寄る必要もないので、残業をした。
    こうやって雑記や似顔絵をガシガシ描いていますが、実際はただの会社員で、生活の基盤はそっちの方から作られているワケで、おろそかに出来ないのであります。
    と言うか、こうやって個展なんかを開いているから本職の仕事が出来なくなっちゃったと言うのは、社会人としてダメじゃんと思うので、こういう時にはいつも以上に頑張っておかなければいけないのだ。
    てなワケで、当然今週の土日は出勤できないのは最初から解っているので、貯まっている仕事をバシバシ片づける。
  2003年06月04日(水)チラシを配るのだ


    [イラスト:料理研究家・平野レミ]
    平野レミ まだ時間が8時程度だったのでバラ園に寄る。
    自分の個展が開催されているんだから、客のいない時間帯だとしても、とりあえずは寄らなければいけないのだ。
    と言っても、今日はホールは何かの会合が開かれていてその中には入れない状態だった。(似顔絵を全面の壁に飾った真ん中に会議用机を持ち出し会議していた)しかし、偉そうなオジサン達があんなオチャラケタ状態の絵に囲まれて、何やら会議をしている図ってのは…
    しょうがないので、バラ園の中にある喫茶店に立ち寄り(店として閉まっているが、色々なセッティングでマスター黒川氏がいた)色々、宣伝について語らった。
    人が多く立ち寄るような場所にポスターを貼って貰うのも必要だよ。などと言い、たとえばCDショップ&コンピュータ&本屋が一緒になっている「すみや」とか。
    でもなぁ、すみやの場合は大きなチェーン店だし、協賛商店とかでないとポスターやチラシはダメだと言われているので、難しいだろうな。
    色々話し込んでしまい9時を過ぎてしまったが、ホールの会議は一向に終わらないので帰宅。
  2003年06月05日(木)似顔絵?おもしいの?


    [イラスト:料理研究家・小林カツ代]
    小林カツ代 てなワケで、さっそく帰り道『エフエムぬまづ・コーストFM』へ立ち寄り宣伝活動をした。
    『エフエム三島函南・ボイスキュー』だったら何度も行っているので緊張もしないが、ここは初めて立ち寄るので緊張。(実は放送センターのある場所もあまり理解していなかったので、色々調べた)
    開放的な階段を上って、川が一望できる建物の中にスタジオがあった。
    最初に声を掛けた男性はどうやら下っ端らしく「お待ち下さい」と渡したポスターを手に別の場所へ走っていった。
    とりあえず、ボーっと待っているのも悪いと思いそちらへ歩いていたのだが…。
    そこにいたディレクターと称する人物は女性で、休憩中だったのか、会議中だったのか、煙草を手に持ってくゆらせていた。
    先ほど下っ端らしい男性に話したのと同じように「15日まで杉山バラ園で似顔絵展を開催していますので、告知をお願いしたいと思いまして」と告げたのだが、ポスターに書かれた絵をふ〜んという感じで見ながら女性ディレクターは「似顔絵展ねぇ… 面白いの?それ」などと、ほとんど興味のないような調子で問いかけてきた。


    [イラスト:ダンディ坂野]
    ダンディ坂野 「こりゃダメっぽいなぁ」とその反応の悪さに感じつつ、厳選した似顔絵をプリントアウトした物を数枚広げて見せながら「こんな感じに、ただ似顔絵ってダケじゃなく、ネタ的に見て笑えるような感じで書いています」などと説明したのだ。
    しかし、反応は相変わらずで、そのプリントを手に取るでもなく、手にもった煙草を揺らしながら「そうねぇ、まぁ検討しておきますね」と言っただけで、次の瞬間、隣にいた女性に「ところでさ」などと話かけているのだ。
    こりゃダメだな、っつーか、こんな片田舎の超弱小FM曲のディレクターごときでふんぞりかえって「私って業界人なのよ」みたいな態度を取っているのは相手にしてても時間の無駄だな、と「よろしくお願いします」と挨拶をして、早々に退散した。

    でも確かに「似顔絵展」なんて言葉、冷静に考えてたらつまらない物だよなぁ。
    でもポスターには大量の顔が書かれていたので、ちょっと見ればその画力とか方向性が見えると思うのだが…、基本的に絵を愛でるなんて感性は存在していない人なのかもしれない。
    そのクセ「ゴッホの絵」などと書かれていると、解ってもいないクセに「やはりゴッホは違う」とか言い出す人なのかもしれない。
    ケッもう二度と来るもんか!と思いながら帰ってきたのだ。
  2003年06月06日(金)睡眠不足のピークなのだ


    [イラスト:熱愛発覚!千代大海]
    千代大海 帰りに今週だけで増えた絵を追加展示する為に、展示用の横棒を購入。
    そのついでに「すみや」に寄ってポスターを貼って貰えないかと聞いてみるが、やはりダメ。
    その足でバラ園近くのセブンイレブンに立ち寄り貼って貰えないか交渉。
    セブンイレブンもチェーン店なのでダメかと思ったが、店の奥から老齢の男性が出てきて「バラ園かぁじゃ、ここでいいか?」と入り口のすぐ右側のかなり目立つ場所に貼って貰った。
    感謝感謝。
    今日はバラ園に寄らずに帰宅。
    いよいよ明日から本番と言うことで、夕べから会場で販売するバッジや絵はがき、Tシャツなどをガシガシ制作し、さらにスピードくじをイザと言う時の為に400枚以上制作する。
    400枚どころか100枚も出ないとは思うのだが、それでもイザと言う時の為に。
    しかし、全部ひとりで家内制手工業でチマチマと制作しているので、何時間かけても大量に出来るってワケじゃない。
    プリンターも全開状態で(絵はがきも基本的に1絵柄に対して2枚しか印刷していないので、かなりセッティングとかが面倒臭いのだ。だから1時間で6種類(×2枚)程度しか作れない。
    と言いつつ、それが印刷されている間にスピードくじを折って糊付けして、100単位でバッジが何枚、絵はがきが何枚、豆知泉が何枚と数えて袋詰めしていく。
    この1週間、自宅に帰るとノルマのように最低でも1枚絵を描いて、その後はこの作業の繰り返し。
    なんつーか、一般的にイラストを描いている人のアーティスティックな印象はぜんぜん無く、果てしなく職人というか、工員のような状態の日々が続いているのだ。
    結局、とりあえず終わらせなければいけないと言うことで、4時ぐらいになってしまった。
    連日、2時3時までやって来ているので、かなり疲れがピークに達しているのだが、ここで気を抜いて爆睡→朝寝坊なんてことになったら、何のための努力なのだ!っつーことで、とりあえず寝る事にした。
  2003年06月07日(土)はじまりと終わり
    実際には1週間前の日曜日から始まっている似顔絵展ですが、とりあえず今日がちゃんとした会場で開催する土曜日と言うことで、本番と言う状態でした。
    この日の為に、半年前から準備を始め、本当に他の生活を犠牲にして500枚の絵と、それ以外の来場者に楽しんでもらえるんじゃないかと言う準備を延々と続けてきた。

    が、諸事情で今日の朝の段階で似顔絵展は終わってしまったような状態になりました。
    色々一口で説明は出来ないのですが、そして通常では考えられないような状態で、とてもじゃないけれど似顔絵展なんてやっていられない事態に遭遇してしまいました。
    ここで説明する事によって、色々な人に迷惑を掛けそうなので割愛させてもらいますが「半年間いい夢を見させてくれてありがとう」と言うことです。
    その為の代償は、時間的にも、金額的にも大きかったけれど、いい人生勉強ってヤツをさせてもらいました。
    普段他人に対して怒ったり怒鳴ったりする事がない自分ですが、生まれて初めてあんなに怒鳴った状態で、その段階でこの先1週間分のエネルギーを使い果たしてしまったみたいです。
    とりあえず似顔絵展は15日まで続きますが、あとは抜け殻みたいな物で、もう個人的には終わってしまった状態です。
    来場しようと考えていた方々には申し訳ありませんが、そう言う事です。
    以上。

    そんな状態を知らずに東京より旧友・H氏がやってくる。
    午後から普通に何事も無かったかのような展示状態になったので、表面上は問題なし。
  2003年06月08日(日)祭りの後
    静岡新聞・日曜版朝刊にそこそこ大きく取り上げられていたが、ちっとも嬉しくない状態。
    とりあえず、今日はノルマとなっていた展示を続けた。
    来場してくれたお客さんが、それなりにゆっくりと1枚1枚の絵を見て笑ったりしているのが、少しだけ救いとなっている。
    H氏は午前中に帰り、入れ替わり状態で昼過ぎに東京よりR氏訪れる。
    R氏は3時間ほどバラ園に居たが「じゃ俺帰るわ」と言い残して、またして東京へと戻っていった。わざわざ、こんな似顔絵展の為にすんませんです。
    とりあえず、H氏とR氏にはちゃんとした形で見せる事が出来たが、精神的にはもうボロボロ。
    来週までやらずに、今すぐ撤退したい。
    なんだか情けなくなってきてしまったが、来場してくれるお客さんの為に、何事も無かったかのように似顔絵展を開催していく。
  2003年06月09日(月)お茶漬け
    色々書きたい事があったので、とりあえずその思いを発表する予定もなく書き留めてみたらとんでもない長さの文章になってしまった。
    でも、この文章をアップしたら、とんでもない状況になりそうな予感だし、ジョームからもお願いされたので、胸の奥にしまいこむ。
    仕事から帰宅して、それでもノルマのように似顔絵を描こうとするが、精神的なダメージが大きいせいなのか全然ペンが進まない。
    何を書いても、及第点に遥か及ばない線しか引けない。2時間近く紙に向かって絵を描いていたが、今日は断念。こんな事は1年間続けてきて初めて。
    昨日からずっと胃がいたくて、夕飯はなんとかお茶漬けで流し込む。

  2003年06月10日(火)バタンQ
    とりあえず、あんな状態だが平日の帰りも会場へ寄らないといかんので、というか何を言われたり、何をされたりするか解らないので、あまり残業が出来ない。
    と言うことで、バラ園の定休日である今日は他の日の分まで仕事をこなしておく。
    精神的にも肉体的にも土曜日日曜日の疲れが出てきてボロボロになっているが、それでも本職をパスするワケにはいかない。
    仕事と個人的な展覧会とはまったく別問題なのだ。てやんでぃ!と言うことで、かなり大量の仕事を、かなり遅くまでこなして帰った。
    家に辿り着いたのは記憶しているが、気が付くと明け方、床の上で帰宅したままの状態で倒れていた。
    そんでもって、余計に体調を崩してしまった&腕を寝違えたような状態なのだが、熱いシャワーを浴びて、栄養ドリンクを飲んで会社へ出かけるのであった。(これはもう水曜日の話ね)

    たぶん、しばらく似顔絵というか、イラスト自体描けそうにない予感。
    自分の絵の価値ってあんなものだったのかと言う、ショックがやはり尾を引いているみたいだ。



     


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