【語源&由来】
「箪笥」は漢語で「たんし」と読んでいたが、中国の古典書『札記』では竹製の飯をいれる器を指している。
「箪」は円形を表し、「笥」は方形を意味するので「箪笥」で筒のような形を現している。
日本にこの語が入ってきたのは不明だが、16世紀中期、戦国時代から安土桃山時代に書かれた『運歩色葉集』の中で「箪笥(たんじ)」と見る事ができる。
それとは別に中国で「担子(たんす)」の文字があり、これは天秤棒の両側にある荷物を意味している。
1603年にイエスズ会が書いたポルトガル語での日本語辞書『日葡辞書(にっぽじしょ)』には「Tansu」の文字があり「茶の湯の道具を入れる手文庫のような小箱の一種」とあり、これが「箪笥」なのか「担子」なのかが不明。
江戸時代初期に、衣類をいれる「箪笥」が出現し、徐々に大型化していった。
|