知泉的:語源&由来辞典
天職(てんしょく)
・生まれる前からその仕事に就くことが決められていたかのように、自分にあった職業のこと。

【語源&由来】
本来「天職」とは遊女の階級のひとつ。
江戸時代初期に井原西鶴が書いた『好色一代女』のなかに「われ天職勤めけるうちに、頼みにかけし客三人までありにし」とあるが、この「天職」とは最も高い遊女「太夫(たゆう)」の次の位。
当時は別称として「天神」「梅女郎」「うめ」などともいわれた。
最上位の「太夫」は天性備わった風情があるが、それに準ずる「天職」も生まれ持った天性を供えていることから名が付いたとされている。
その「生まれ持った」ことが他の職業へも使われるようになったもの。
江戸時代の遊女は見下される存在ではなく、ある種の憧れの職業だった。

【メモ】
江戸時代の川柳句集『誹風柳多留』には天職の別称「天神」を使った句がある。「天神に二十五匁おもしろし」とあるのは、天職の揚げ代(料金)が二十五匁で、北野天神の縁日が二十五日間だったことを引っかけたもので、そこから「天神」の名が付いたとされている。

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【関連項目】







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