知泉的:語源&由来辞典
にせ(偽・贋)
・本物を真似て作られたモノ。紛い物。

【語源&由来】
動詞の「似せる」から来た言葉で、本来はマイナスのニュアンスはなかった。
平安時代後期に流行した似顔絵のことは「似せ絵」と呼び悪い意味は含んでいない。
しかし本物では無いという意味や、それで人を騙すような事があり、次第に偽りの意味を表すようになっていった。
室町時代辺りから悪い意味が強くなり、1603年にイエスズ会が書いたポルトガル語での日本語辞書『日葡辞書(にっぽじしょ)』には「Nixegane(ニセガネ)」「Nixemono(ニセモノ)の項が出てくる。

【メモ】
漢字で「偽」という文字が使われるが、旁の「為」は手・象を組み合わせた文字で、人間が動物などを手なずけるさまを表し、作為によって性質や姿を整える意味が含まれる。
そこから人偏が付いた「偽」の文字は、人の作為によって姿形を変える、表面を取り繕うという意味が込められている。

もう一つの「贋」の文字は、「雁+貝」で、「雁」は姿形のよい鳥が空を飛ぶ意味、「貝」はお金を表す。
そこから「贋」は姿形を見栄え良くして財物とするという意味で、形だけ見栄えのよい財産=ニセモノという意味。

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