知泉的:語源&由来辞典
ねこもしゃくしも(猫も杓子も)
・誰も彼も。

【語源&由来】
(1)ここで言う「ねこ」とは神道に仕える「禰子(ねこ)」を意味し、「しゃもじ」は寺院にいる僧侶「釈氏・釈子(しゃくし)」で、本来は神道も仏教も「禰子も釈氏も」という意味。
(2)「ねこ」は寝る子「寝子(ねこ)」を意味し、「しゃくし」は赤ちゃんを意味する「赤子(せきし)」で、寝る子も赤ちゃんも「「寝子も赤子も」という意味。
(3)「ねこ」は女性を意味する「女子(めこ)」を意味し、「杓子」は子どもを意味する「弱子(じゃくし)」を意味し、本来は女性も子どもも「女子も弱子も」という意味。
(4)「ねこ」は目に付くところに当たり前にいる動物、「杓子」も生活には必ずある物で、日常的にありふれている物という意味。
(5)「ねこ」のような顔をしたヤツも、「しゃもじ」のような顔をしたヤツも、という説。
(5)「ねこ」はそのまま猫のことで、「しゃもじ」は女性・妻の道具なので女性をあらわし、「猫も女性も」と家族総出でという意味。

【メモ】
滝沢馬琴は「袮子(ねこ)も釈氏(しゃくし)も」というタイトルの本を書いていることから(1)の説を支持する人もいる、ただしそれより前に「猫も杓子」もという現在と同じものが登場していることから、滝沢馬琴がもとの言葉を言葉遊びで代えたものだと思われる。
江戸時代初期、1668年(寛文8年)に書かれた『一休咄』には「生まれては 死ぬるなりけり おしなべて 釈迦(しゃか)も達磨(だるま)も 猫も杓子(しゃくし)も」と書かれているほど古い言葉。一休が語った言葉をまとめた本となっているが、死後200年近くが経過して書かれたものなので、創作がほとんどだと思われる本。
(5)は江戸時代の滑稽本『江戸のかたきを長崎で』に書かれているものなので、ただの冗談かと思われる。

あああ
  

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【関連項目】





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