最後の晩餐

さ【さいごのばんさん：最後の晩餐】

2つのウソ †

• キリストが受難の前夜、12人の弟子たちと共にした晩餐は『最後の晩餐』と言う名称で、古くから宗教画のテーマの一つとして絵画に描かれてきました。
  中でも有名なのがレオナルド・ダ・ヴィンチの作品。ところがこの絵には、大きなウソが2つあるのです。
  

• 第1のウソは、みんなが椅子に座って食事をしていること。
  キリストが生きたローマ時代?には、椅子に座りテーブルで食事をする風習はほとんどなく、床や長椅子に寝そべった状態で手づかみで食べていたので、この絵のような光景は考えられないわけです。
  
• 事実、ルネッサンス前の画家たちによる最後の晩餐は、みんな、寝そべって食事をしているのです。が、後世の画家たちは「それでは行儀が悪い」と思ったのか、無理矢理に自分たちの尺度でのマナーに当てはめた絵を描いてしまったのです。
  

• 第2のウソは、テーブルにあるオレンジです。この当時ローマ帝国にはまだオレンジは入ってなかったはず、というのも歴史家の調査でわかっていることです。
  
• 絵画は時代の風俗を知る上で、非常に大きな手がかりになりますが、あるテーマを後世の人が描くと、このように、描いた時代の風俗が入り込んだり、画家が創作してしまったりで、ウソが混じってしまうことが往々にしてあるのです。

更新履歴 †

• 998.00.00